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2015年4月13日 (月)

『紅月-アカツキ-』考

Akatsuki_battle

Release: Single『メギツネ』収録
Credits: 作詞:NAKAMETAL・TSUBOMETAL     作曲:TSUBOMETAL
     編曲:教頭  ギター:Leda


 作詞・作曲・編曲・演奏は『イジメ、ダメ、ゼッタイ』のコア・チームによる。

 BABYMETALが当初にメイン・ターゲットとして想定したのは、X(Japan)に親しんだ世代だった。しかし私の様にジャパメタはおろかパワーメタル系を聴かない世代以上にも、勿論ずっと下の世代にもファンはいる。
 この現象をどう解釈したらいいのかという事が、私がブログを始めた当初の理由の一つでもあった。

 あるブログサイトでBABYMETAL楽曲の「一番好きな曲は何か」というアンケートが行われ、ダントツの一位を獲得していた。

 私がこのプログラムについて論考するのを及び腰になってしまうのは、オマージュを捧げられたX、及びその楽曲も知らなかったからだ。
 勿論『紅月』に関しては、イメージ・ソース曲『紅』や他の楽曲は聴いた。
 Unfinished Versionについてなどは、このブログの説明を参考にさせて戴いた。
 曲想が近いのは確かだが、明確に特定のモチーフが使われている訳では無く、オマージュとしては理想的な手法だろう。


 パワーメタルのメロスピ、パワメロの一部楽曲がよく「アニソンぽい」と比喩されるが、勇壮に盛り上げるメロディを正面きって歌い上げるからだろうと思う。
メタル・エヴォリューション』でパワーメタルを探る為に、サム・ダンはヨーロッパの野外フェスに赴き、集っている人々にパワーメタルの特徴を言わせていた。
 魔術、ファンタシー的な世界観と共に、ある貫禄ある女性は「あんまり男っぽくない」という意外な答えをしていた。
 ネガティヴな意味ではなく、他のメタルのブルータルでマッチョなサウンドと比べてという事だと思う(真意が判る程の長いインタヴュウではない)。

 メロディアスな歌メロがあるなら、当然コードはそれなりに多くなる。確かにロックというよりはポップに近づく。
『紅月』の構成はDメロがあって落ちサビもあり、ギターソロが少し長いだけで、極めてコモンなJpopのものだ。あまりリアルではないがストリングスも自己主張し、ピアノの音も聴かれる。
 哀切のある歌メロはまさに、14,5歳時のSU-METALの歌声の魅力を最大限に引き出す事を目標に作られた。


『イジメ、ダメ、ゼッタイ』の歌詞は編集が重ねられ、結果として「寸止めの抽象化」を得たというのが私の考えであった。
『紅月』は寧ろ積極的な抽象化が意図されている。

「命が消えるまで まもりつづけてゆく」というフレーズが喚起するノーマルな印象は、やはり幻想世界のラヴソングだ。今主人公は孤独な状況にあるが、手元に痛んだ刃があるのだから、それを用いた闘争があった事も類推出来る。

 しかし、この歌詞には守るべきものが人なのかそうでないのかすらも触れられておらず、また「何」から守っているのかも不明だ。
「赤い糸」の絆が辛うじてラヴソング性を支持しているだけである。

 こういう歌詞になっているのは、私には理解出来る気がする。
 この曲はSU-METALが未だ13,4歳頃に作られた。平和な日本に生まれた彼女が、シリアスに切迫した歌へ如何に気持ちを込められるのか。
 SU-METALは多分、あまり他の歌手の物真似を歌う事は好まないだろう。ある歌が気に入ればそれを自分なりの歌い方で歌ってきた。
「~ぽく」歌う事が出来ず、歌詞を自分なりに把握しなければ歌にならない。
『紅月』の非現実的な虚構世界は、少女の想像力を働かせる装置として極めて有効だったと思う。

 ただ、意図された抽象化によって、聴き手側に強く訴えかけるものには至れなかった。
 勿論、現実世界の我々にとって、辛い状況である中でも、信念を持ってやり抜き、内なる敵(=消極的に否定する気持ち)を打ち破ろうという応援歌と聴く事は可能である。
 こうした構想の歌詞を作る上で、耽美的なワードを入れ込む誘惑を封じた制作陣を称賛したい。中学生少女が歌う歌詞には相応しくない。


 この曲の解釈を、BABYMETALは一度はっきりとステージ上で提示した。
 2013年2月、LEGEND Z でのこのプログラムは、ギターソロ部でまさに劇的な見せ場が設けられていた。
 間奏部になるとステージ奥の二階部に「もう一人のSU-METAL」が現れる。同じ体形、同じコスチュームで、小さなマスクを装着している。
 SU-METALとドッペルゲンガーは武器を用いず、格闘を繰り広げる。『イジメ』のYUIMETALとMOAMETALのそれよりも、体格が大人びている分迫力は増す。もう一人のSU-METALは連続側転まで見せる強力な相手だが、SU-METALは決して見劣りしていない。ギターソロが終盤に入ると――、SU-METALとドッペルゲンガーは客席に向かって一直線上に立ち、後方のSU-METALはSU-METALと一体化したかの様に消える。
 この演出は実にエキサイティングだった。しかしただでさえ歌がクリティカルであり、神バンドと共演している現在は、こうした演劇的演出は不可能だろうし、SU-METALの負担が大き過ぎる。
 この時のショウは、『紅月』が「ネガティヴなもう一人の自分との闘争」の歌である事を表わしたものと思えるが、勿論曲自体は、聴く人によって自分の恋愛など困難な状況を重ねる事も可能である。


 CDに於けるSU-METALの歌は、録音当時の幼さがまだ残る声で、透明感のある切々とした、とても訴えかけてくるものだ。
 私が1stアルバムを聴いていた時に実際涙を浮かべたのは『イジメ』だったのだが(でも今年に入ってから)、『紅月』でも特に、Dメロになると未だに鳥肌を立てる時がある。

 私が印象深いテイクは、恐らく2013年五月革命の(ブート?)音源だと思われるものだが、動画の映像には2012年の鹿鳴館コルセット祭りに於ける『ヘドバンギャー!!』の場面で編集されている。映像自体も興味深い。これで聴かれる『紅月』は、未だステージ上でこの曲を歌い慣れていないSU-METALが、時折危うくなりつつも最後まで渾身の力で歌いきったという印象のものだった。(リンクを貼るのはやめておく。『五月革命』で検索出来る)
 SU-METALはきっと口惜しい思いをしただろう。しかし現在に至るまで彼女はステージで果敢に挑戦し続け、この曲を征服した。

 2014武道館のライヴCDであると、歌の説得力がまるで異なる。歌に力強さがあり、それは子音の発音に顕著だ。決して乱暴でも荒々しくもない強さは、「守っていく」という決意が微塵の疑い様もなく込められている。
 私はCD音源版にあるクリーン・ギターのイントロが好きだが、神バンドが入るライヴ(の多く)ではUnfinshed Versionのピアノ・イントロ版が用いられ、「まもり・つづ・ける」と歌メロがアレンジされている。
 SU-METALはこの曲の導入部ではフェイクも使い始めている。しかし「紅月だーッ!」(X Japanの『紅だー』の引用)からは後では、もう彼女は全身全霊でストレートに歌い抜ける。

 このプログラムでSU-METALはマントを肩に掛け、歌の折々で翻して見せる。
 激しいギターのリフが始まると、SU-METALは激しく身を揺らせる。控えめに言ってもセクシーだ。歌頭に備えステージ後方から歩く姿はまさにモデル・ウォーキングで、MIKIKO-METALはソロ曲でもぬかりない。
 ツイン・ギターソロでは、上下両ギタリストがセンターで背中合わせで弾き、つかの間にSU-METALを休ませる。LEGEND I(2012/10)で骨バンドが行ったパフォーマンスをリアルに再現した演出だ(これも元はXなのだろう)


 SU-METALにとって歌う事が楽な曲はBABYMETALには数少ない。
 この『紅月』は、14,5歳時の彼女の音域の上限で作られた。そもそもこういうパワーメタル系曲は、ミックスヴォイスを使いこなすハイノート・シンガー(X JapanのToshiもそうである様に)が歌うものなのだ。
 SU-METALは最高音域は以前と変わらずとも、声を出し易い音域は成長して下にシフトしている筈だ。
 後に作られた『悪の輪舞曲』は、より歌い易い音域で書かれている。
 しかし『紅月』はSU-METALにとって初めてのソロ曲であり、彼女にとっても特別な曲だと思う。SU-METALの可能性は我々には未知数であり、この曲も易々と歌える様になっているかもしれない。


 この曲のメロディはとてつもなくセンチメンタルだ。スピードメタルのサウンドがそのイメエジをロックにしている。しかしアカペラで歌われても、この曲は美しく響くだろう。
 ただし、ノンファルセットで歌える女性は、殆どいない。(という事をYouTubeでも確認した)

 SU-METALは決して高音を売りにするシンガーではない。寧ろ音域はアルトだ。
 なのに高音域まで非現実的な伸び方をする。その際にはSU-METAL自身もコントロール出来ないかの如くだ。
 しかし、私たちが彼女の歌声に魅せられたのは、そうした特異性では全く無い。誰一人そんなファンはいまい。

 私は最近になって、彼女の歌が持つ魅力の更なる一つは言葉の明瞭さだと思う様になった。
 彼女はシリアスに歌う時、アイドル的な表情を作らない。口と顎を可能な限り最大限に用いて、時には全身を使ってまで、歌詞の言葉を極めて明瞭にはっきりと歌う。その姿勢はアクターズスクール広島時代、可憐Girl's時代から変わらない。
 言語が判らない多くの外国人が、何故SU-METALの歌に魅せられているのか。
 彼女は歌を単なる音ではなく、言葉として伝えようとしている。意味は判らずとも、その伝える気持ちの強さは何よりも雄弁に伝わる筈だ。

 SU-METALというリード・ヴォーカリストがフロントに立つBABYMETALが、世代も文化も言語も越えて支持されている、その理由の最大なものは問答無用にSU-METALの歌声だ。ただ、ではどう魅力的なのか――、私は未だに言語化出来ない。


 私のささやかな希望を述べれば、是非ギターイントロを神バンドで演奏して欲しいという事だ。
 昨年のApocrypha-Sにて、ギター・イントロ版が披露されたとの事。コメントでのご指摘、ありがとうございました。





 BABYMETALは、世界の(未だ一部だが)少女たちにも希望の光を届けているのかもしれない。






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コメント

昨年12月極寒の雨の豊洲で行われた、SU-METAL生誕祭での紅月は、Unfinshed Versionのイントロが流れるものの途切れて…通常バージョンでした。神バンドのイントロ+「紅月だー」なし。今年の生誕祭(があれば)またやるかもしれません。
もしかしたら4月の赤ミサでやっちゃうかもしれませんが(ライブの名称的に、恐らくですが、赤ミサで紅月、黒ミサでロンドかなと)。
…ちなみに生誕祭のブート音源も、探せば出てきたりします。

 スゥちゃんの聖誕祭で神バンドギタ-イントロVERの紅月を
やっていますよ。聞いたことがなければお早目に。
http://www.dailymotion.com/video/x2d28jk_su-metal-seitansai-full-show-47-minutes_music
僕もこっちのほうが好きです。ついでにいえばギミチョコの煽りも
嫌いです。

SRF-METAL氏がおっしゃっている、Apocrypha-Sでの紅月のある意味フェイクっぽい仕掛けについては、宇佐見氏がツイートしていたと思います。そしてこのときの演奏でもう一つ特徴的だったのは、大村氏のギターソロがアルバム版の完コピだったこと。個人的にはこちらの方にビックリしました。

いつも楽しみにしています。
SU-METALの特異な点はあの空間支配力ですよね。。
こんな抽象的な言い方はすべきではないのかも
しれませんが。
初めてミックジャガーや矢沢をライブで見たときのインパクトも凄まじかったけど、ああいう大御所が醸し出す、経験に裏打ちされたプレゼンスともまた少し違う。私には言語化できません笑。
「音ではなく言葉として伝えようとしている」、非常に共感いたしました。

同じく、「音ではなく言葉として伝えようとしている」には非常に共感いたしました。
だからこそだと思うのですが、"赤く染まれ、真っ赤に染まれ"のラストフレーズが無いUnfinshedVer.は物足りないというか、通常Ver.の如く涙腺崩壊にはいたりません(あくまでも個人的にですが)。
しかしKonaka-Metal氏のように高い批評力を持ってしても、言語化できないものもあるのですねぇ。

この曲が人気が高いのは
単純にシンガー中元すず香の
歌唱力と歌心、可能性に皆が惹かれているのではと思います。
私もそのひとりですが。
Babymetal で一番好きな曲と言われれば
敢えてこの曲以外から選びます。

毎回、更新が楽しみです。

すぅちゃんの紅月は彼女の成長と共に破壊力を増すばかりですね。
切ないと言うか、初恋の高揚に似たドキドキ感と言うか…
聴く度に胸がチクチク痛みます。
こんなオッサンまで泣かすとか、彼女は何者なのでしょうか?
自分的には、選ばれし歌姫だと認識しております。
コバメタルは、よくぞこの光り輝く宝石の原石を見抜いたものです。
天晴れです。
流石はキツネ様。

この写真のsu-metalの攻撃はど迫力ですね。この一撃に耐えられる人はいないでしょう。

紅月のダンスはSU-のオリジナル?。
ダンスレッスンで、「心配な所は無い?」と聞かれたYUIMOAが紅月を聞きたいが為に「紅月はどう?」と言い出して、多数決で負けてしまって歌う事になるという話の中で「振り付けとか特にないのに…」とSU-が言っていたはず。
そしてMOAが「SU-METALはすきにやっちゃうよね〜。それがまた、カッコ良いんだ。」
って言ってる映像が何処かに有ったはずです。
SU-に関しては、ダンスも歌唱も好きにやらせてみて、相談しながら修正してる程度かもしれませんね。

今回の記事を拝見してこのブログを思い出しました
なんであんなにすぅの歌が自分に響くのか判らなくていろいろあさった結果たどり着いたブログです
http://wanko-metal.seesaa.net/article/414940740.html

アニソンっぽいっていう評価は、順序が逆だと思うんですよねぇ。
ANIMETALの商業的成功以降、メタル界隈とアニメ・ゲーム業界の蜜月関係は今に至るまで続いてる訳ですし。
現代のアニソンがメタルっぽくなってるんですがねぇ。

アニソンっぽいっていう評価は、順序が逆だと思うんですよねぇ。
ANIMETALの商業的成功以降、メタル界隈とアニメ・ゲーム業界の蜜月関係は今に至るまで続いてる訳ですし。
現代のアニソンがメタルっぽくなってるんですがねぇ。

やはり皆んなこの曲が好きなんですね、コメントが伸びます。そして私も大好きです。今まで聴いた音楽の中でベストテンに入ると思います。
彼女の声は何か脳のセンターに直接刺さってくる感じかします。特に「染めてゆ〜く〜」のあたりの周波数。(逆に低いパート「さ〜しむ〜かい〜」は、いつもちゃんと歌えるかハラハラします。)
紅の騎士としての曲をあと何曲か増やして欲しいと思いますが、ハードルは高いだろうなあ。

伝える力の強いSu-METALに中途半端に意味のある詩を、今は歌ってほしくないと思っています。
彼女に何を歌ってもらっても俺は泣けますw
ベビメタの意味のわからない歌詞や表現でも、過剰に勇気づけられてますからね。
意味を込めた歌は、彼女が表現したい事柄が明確になって、彼女自身が選んだり作ったりした曲ができたときに聴かせてもらいたいDEATH。


あ、でもRCの「スローバラード」は、「中元すず香」名義のソロでカバーしてほしいなぁ。

tamaさんの仰った動画はニコ生にあるコレですかね。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm23990937

BABYMETALの振り付けではMIKIKOMETALさんが「自由演技してみてー」から始まるものもあるようなので(ヘドバンギャーのツインテールを持ち上げる仕草など)、紅月もそうかもですね^^

AOB3さん、ありがとう!
改めて見たらIDZのトメントで確認出来ました。
Akatuki以外で魂のルフランも多分オリジナルだと思います。
ダンス自体がSU-ポイ感じですよ。特にラストの顔を隠すような振りとか…
BABYMETALのダンスアレンジは、歌詞とか曲自体のイメージを元とした振付で、SU-オリジナルは音に反応した振付のイメージです。

初めまして。いつも興味深く御ブログを拝読させていただいております。


「彼女は歌を単なる音ではなく、言葉として伝えようとしている」

おそらくはさくら学院時代の授業「声の授業」で、講師の先生から
「歌」とは、「不特定多数の人にお話をする方法」と言われたことが
彼女の心の中に残っているのではと思っている次第です。
https://www.youtube.com/watch?v=KaDOUDQ8P2U

「詩に感情を込めて歌うのではなく、ひとつひとつの言葉を丁寧にメロディに当てはめることだけを考える」「そうすることで詩の持つ力を一層引き出すことができる。音楽の詩は聴く人が解釈するもの。歌い手がどう感じるかじゃなくて、聴く人がどう感じるかが大切だと思っています」by秋川雅史

「感情を込めずに、しっかり音符を追って歌詞を聞き取れるように言う事で作詞家・作曲家の気持ちが伝わる」by八代亜紀

「ぼくが、はじめて八代さんの音楽を発見したとき、日本語わからないときでも、この曲きっと寂しいなと思った。」byマーティフリードマン

別々の記事からの抜粋ですが、SU-METALの表現力の秘密はこういうことなんじゃないかなと。

中元すず香さんはホントにとんでもない存在になると確信しています。

触れている方が居ないようなので。
「紅月」の映像を初めて見た時に想起したのは、「あずみ」でした。
どの段階でマントを羽織る演出をするようになったのか解りませんが、それを提案した人の脳裏に「あずみ」のイメージが有ったのは、まず間違いないでしょう。

小山ゆう氏作の漫画の主人公。
孤高の剣士にして暗殺者。
異人の血を受け、碧眼に透き通るような白い肌。
忍の里に育ち、無敵の双刀剣を操る薄幸の美少女。
こう書いただけで白米3杯いけるオジサンは余多いる事でしょう。
心は無垢なまま、数奇な運命の下、巨大な陰謀に決然と立ち向かう「あずみ」の姿がSu-metalの凛々しい姿とオーバーラップしたのは、私だけではないでしょう。
まだご存知でない方は書店へGo!です。
かつて実写化された事がありますが、結果は…
スーちゃんを主役にロックオペラ化出来ないものか、妄想は膨らむのですが。
優れた脚本があればですが…。チラリ

 Su-metalのソロ曲に限りませんが、
紙芝居にこれまでよく引用されてきたエヴァやナウシカ要素に、
鼻白んだ向きは決して少なくないと思います。
何より私がそうでしたから。正にBMのネタ部分!

しかし相当に不埒なその導入にもかかわらず、
続く各曲の圧倒的なパフォーマンスは見事に世界を構築し、
LEGEND Zの「紅月」やLEGEND 1997の「魂のルフラン」では、
本家・元歌を凌ぐ存在感の少女ヒロイン像を現出させました。

 やはり「あずみ」を想起した方が居られましたが、
原作漫画では主人公と関わる形で登場する多くの少女たちが、
ただ「おんな」であるというだけで非業の運命を与えられて、
あり得ざる存在としての主人公あずみの奇跡を際立たせていました。

人間の歴史上の厳然たる事実であり、現在もまた、
地球上のあらゆる場所で止む事のない蛮行の連鎖は、
あずみの物語に深い陰影を与えて秀逸でしたが、
KOBA-METAL自身が「やっちゃいけないヤツ」とまで宣ったBMが、
添付された映像のような拡がりを見せる事こそが、
エンターテイメントの妙味というモノでしょうね。

毎度お世話になります。

この曲が生まれたきっかけは、Xのヨシキさんの美意識や世界観からのインスピレーションだとよく言われますし、周知の事実でもあるようですが、
私もそう思います。
Xの紅という曲がなければ、この曲がこのような形で存在していたかな?と思うと、改めてヨシキさんへの敬意を感じます。
しかし、ヨシキさんの世界が「個人的な美意識」であるのに対して アカツキという曲では「普遍的な何か」
へと世界が広がっています。
KOBAさんの凄い点は、
「インスピレーションを得た本家の作品」の世界を
もっと広げて「新たな価値」を生み出した事ではないでしょうか?
紅月の歌のメロディについては、部分的にはシンプルで決して非凡ではないと思いますし、作曲をする人にそういう意見が多いような気がしますが、ただこのメロディーは
「一曲トータルでの物語構成」が本当に素晴らしく、
まさに、「最高の満足、感動のためにはしっかり下準備が必要なんだ」と痛感いたします。
地道に聴き手の心を何度もほぐし、じらし、またじらし、繰り返して最後に頂上へ...
この情熱溢れる垢抜けないやり方は、卓越した作曲家にはむしろできないやり方ではないでしょうか?
KOBAさんは最初はベビーメタルを「ジョークとして」
皆に笑って欲しかったと思うんです...
音楽には「全力のマジ!」でエネルギーを注ぎ込むが、同時にそれを「ブチ壊す」要素を各所に混ぜる事で聴き手の心に「怒り」や「?」を生み出して物議が醸し出される事を想像して喜んでいたと思います。
IDZの「ダメダメ〜」「ポイ捨て禁止〜」の合いの手、「キツネ、飛べ!」の歌詞、「愛しくて、切なくて〜」の寒い小室歌詞引用...
まさに、失う物がないから創造と破壊を同時に行えた
...
「全力で作った音楽作品に無意味を混ぜた事」が聴き手の既成概念を解体し、新たな価値を創造する結果になった事はKOBAさんも想像していなかっただろうと思います。
ただ、この曲は中元すず香さんが歌うから名曲となったのであり、彼女の心の中には絶対「幾千もの夜を越えて〜この体が滅びるまで〜守り続ける」の歌詞通りの魂が宿っているだろうと思います。
中元すず香さんの声質や響きについての凄さは
もうあちこちで語りまくられていますが、
私は彼女のボーカルの奇跡の一つは、「彼女の心がバラエティー番組、マスコミやTV、雑誌における洗脳に全く影響されていない」事によって地球規模のパワーを得たのだと思います。


本文中で駄レスを取り上げて頂き、恐縮です。
ここからはネタです。(とお考え下さい)

「紅月」の作詞者NAKAMETAL≠中本すず香と仮定した場合、最も身近にある「愛」とは何か?
「菊地最愛!?」
生まれながらに、誰よりも愛する事、愛される事を定められた少女。

幾千もの夜を越えて(その名を背負い)生き続ける事の苛酷さ。
命あるかぎり、その運命を真っ直ぐに受けとめ実践する事を心に誓う。
過ぎて行く時間のなかで、別離の時が有ろうと、瞳を閉じてその辛さに耐えよう。いつかまた会える事を信じて。
他人や自分を傷付ける葛藤があり、(誓いを守る事の)孤独や不安で心の奥深くまで傷付いてしまう事もある。静寂の中でそれを今静かに思いかえそう。
しかし、未来に向けてその誓いを貫く事を改めて心に誓う。この命が尽き、身体が滅びるその時まで、私が愛し続ける事を。
身体が、心が血だらけになろうと、いやむしろ、我に艱難辛苦を与え給え。
愛し続けてみせよう!

うーん、なんて恣意的な解釈だ。
でも、「紅月」を聞きながら最愛ちゃんを頭に浮かべると、無くも無いかなと。
お試し下さい。

さくら学院の元生徒会長にして、ベビーメタルのムードメーカー。
オフステージでは常にちょこちょこと小ネタで場を和ませる。
しかし、ステージではプロ中のプロとして全力を尽くし、誰よりも観客を煽り倒す。
最大の愛を伝える為に。カックイー!

NAKAMETAL≒中元すず香
が適切ですね。
失礼しました。

毎日拝見し楽しませていただいています。
「SU-METLの歌声はなぜ人々の心を動かすのか?」の答えは、KONAKA氏の言うように本当に容易ではないです。当初からここまでこのプログを読んで来てようやく話せるものが出てきました。
私は、若い頃竹内演劇研究所の「からだとことばのレッスン」で主催の竹内俊晴氏とスタッフに「からだとことば、人に伝えることへの気付き」のレッスンを受けました。
そこで、「動作とことばは一つのもの」=「からだ」であること、「人に伝えること=表現することはどういうことか」、「人の最も原初的なそれ故本質的な表現方法は『歌い踊ること』」、「人は全て共生体としてのからだをもっていること」に気付かせてもらいました。
BABYMETALの3人による歌とダンスによる表現は、人間にとってプリミティブ(原初的な)な表現方法であり、それ故観る者に強く働きかける力があります。
表現するとは、人に伝えるとは、「人の心に入り込み心に働きかけてその人の心を変えること」です。
その後舞踏の大野一雄のダンスを観て、魂が底から震えました。そして、その30数年後にももいろクローバーZのライブで心が底から震えました。
私が観たももクロのライブの本質は、元々伝える力があることの上に、「一人一人のメンバーが観客一人一人に向かって全身全霊を込めて自分の気持ちを歌い踊って伝える」こととリリーフランキーが自分のロックフェスに招いたときの感想、「アイドルって聞いていたのに、ロックを通り越してドパンクじゃないか!」という全力での表現=働きかけでした。ご存知のようにももクロも曲に乗って「歌い踊る」表現方法です。表現することの本質を行っていると思いました。
SU-METLの歌声は、直接人の心=魂に届きます。天賦の才か努力の結果かは私にはまだわかりません。多分その両方だと思いますが。
ただ私の経験から言えるのは、人は練習によって気持ちを他の人の心=魂にしっかり届かせる、人の心を大きく変えられるようになるということです。(=表現者になるということです。)
このプログのおかげで、SU-METALは一つの歌を自分のものにするのに半年間歌い込むことがよくあることがわかりました。そのプロセスは曲の心を自分なりにしっかり捉えていく過程でもあります。そのことも、SUが気持ちを観客にしっかり届けている=観客の心を変えている理由だと思います。
また、KONAKA 氏が述べている「日本語をはっきり発音する」ことも重要な要素だと思います。コメントされたある方が紹介している方もSUの歌声について同じことを述べています。
私は、竹内氏のレッスンで、日本語(言語は)はその音声自体ににすでにイメージが入っていることを知りました。例えば、四季のことばを母音で表すと、春[au]夏[au]秋[ai]冬[uu]になります。これらを発声すると古代の人のからだに入っていた各季節のイメージがしっかり湧いてきますし、自分の気持ちが(からだが)発声ごとに変化していくのがわかります。
言葉の音声自体にその言葉のイメージが内在しているのです。ですから、言葉をはっきり発音することは、自分の気持ち(エモーショナルな気持ち)をはっきり聞く人に伝えていることなのです。
そのことが、SUの歌声が人種も言語も越えて人々の心=魂を揺り動かしている大きな理由だと思います。人は全て他の人の心にシンクロする「共生体としてのからだ」を持っていて、その「からだ」が他の人の働きかけに対して同調していくからです。(竹内氏による説明)
また、竹内氏のレッスンで、日本語は「母音」を特に[a]の音をはっきり発音することが大事だと伝えられました。現代人は、昔の人に比べて[a]の音が不明瞭な発音になっているらしいです。その点からも、SUの明瞭な日本語の発音は人の心を動かすのに有効です。
コメントされたある方が紹介している方が、別の方が分析したSUの音(単音)への入り方の説明が新鮮でした(音声分析)。「普通の人は下からその音を捉えに行くが、SUは上から音(単音)を捉えに行く。上から音を捉えに行くと明るい感じになる。」という説明でした。
「BABYMETALを聞くと元気になる」と外国の方がときどき述べていますが、曲想だけでなくこのようなSUの音の捉え方にも要因があるのだろうと気付かされました。このことはライブを観る人々が笑顔になる要因の一つだろうと思います。
ただ、SUの歌声には、上記ので述べた要因の他に何かあるように思います。他のジャンルの方による解明を期待しています。


いつも楽しく読ませて頂いております。この曲は人気曲なのでコメントも伸びますね。

『紅月』ではありませんが、何処かのLady GagaサポートアクトのFanCamで、IDZの後、終演後に撮影者(♂)の奥様と思しき方から「Are you crying?」と言われ撮影者が戸惑っている様子が録音されているものがありました。それを見て、ああ、Suの声の浸透力は国/言語を問わないのだなあ、と痛感した事があります。(特に対おっさん!)

私自身は初めてSSAで実物に接したわけなのですが、やはり「圧倒的にSuだった」(某TLより)でした。彼女の声の凄さ(厚み)はなかなか録音物では伝えきれないものがあり、特に驚いたのが、いいね!の「ぷっちゃきつねあーーーーっぷ!」のあー、の叫びの部分で、その(普段より更に)高いキーとあのSSA全体を揺るがす音圧とかつその心地よさに、「いやー、こりすごいわ」と鳥肌。なんかポリフォニックな響きがあるんですよね。(Crimson-初期ELPのGreg Lakeを思い起こさせます。当時、聖歌隊の様、と評されてましたし)

SSAでは雑誌ヘドバンでも言及されていた様に、出だしはあまり本調子ではなく(WOWOWでは修正されていた)、その前のApocalypse-Sでは声の荒れが見られたようで心配していたのですが、上記あーーぷ!辺りからエンジンがかかり4曲目の『紅月』では多分現状の彼女のベストに近い歌が聞けたのではないかと思っています。(このブートもネット上にあるのでKitsune Festivalで検索すれば見つける事ができるかと思います。)

更にSSAで感動したのがビジョアル面の美しさです。(紅月は残念ながら煙・カメラで良く見えなかった。)特に『輪舞曲』では逆光に照らされて踊る彼女のシルエットと巨大ビジョンに映る姿がたとえようもなく美しく、声+パフォーマンス+ビジョアル+曲+演奏の波状攻撃に思わず目から汗が。。(周りにも目を拭っているおっさん達が。。)

まだ彼女は17歳、私の子供とほぼ同じ年なので、私が生きている間 歌い続ける事は間違いなく、将来ソロコンサートで朗々と『紅月-アカツキ-』を歌いこなし、観客の私を含めたおっさんたちが一様に涙する姿を想像してニヤニヤしたりしています。

揚げ足をとるつもりはありませんが、誤植があります。
「悪魔の輪舞曲」ではなく、「悪夢の輪舞曲」です。

ご指摘ありがとうございました。訂正しました。

いやいや、いつも読ませていただいております。
来年、ウェンブリーでやるみたいですよ。
でも国内の反応は「なにそれ?凄いの?ふーん」
という感じでしょうか。

海外のメイト諸氏のコメントの中で
死ぬまで多分忘れられないものを挙げます
確かアメリカの方です
意訳で挙げますね

「俺ぁよ ニッポンゴなんて まるっきり分っかんねぇんだよ!
けどな…この「アカツキ」って歌聞くとよぉ 意味も分かんねぇのによ
涙が止まんねぇんだよ! このさぁ SU-METALって子の歌声聞くとさ
勝手に目から涙が出ちまうんだよ! 俺ァアタマがどうかしちまったのか?
誰か教えてくれよ!

自分はかつて角川映画「復活の日」
(映画内容は相当微妙以上にマズかったようですが
その映画のTVCMで何度も流れた(断片的ですが
ジャニス・イアン女史の名曲に
映画の内容すら知らないのに涙を何度も零しました
小学生の時に

完全に「紅月」の歌詞内容を一切知らずに涙を零した
アメリカ人さんと同じですよね
歌というものは時に 完全に時空を越えるのです

最近と言っていいのか、しばしばコーラスの声が前に出すぎている、といったコメントを目にします。
とくにその意見が多いのが、この紅月です。

先日の幕張の放送を聴いても、なるほど確かにコーラスが出張っています。
そこでふと思ったのですが、もしかしてコーラスの声って以前に録音したものをいまだにそのまま使い続けていませんか。
だとしたら、当時と今とではSU-METALの声がかなり変わってきているので、そのせいでなおさら違和感が出てきているように思うのです。

ヘリウム声と言われるのとも因果関係があるような気もします。というのも当時の声は、いまと比べてはっきりわかるくらいに細く、悪く言うと耳に痛い声ですから。

まったくの見当違いかもしれませんが、検討材料にはなるかなと思いコメントさせていただきました。

生歌のアカツキはUnfinished Ver.が初めて(1997)ではありませんか?
年明け2014年3月1日(赤い夜)から生歌での本来の曲に変わったように感じますし、動画でもそのように見えます。

あくまでも推測ですが、おおよそこのような感じに見えます。
2013年は新生BabyMetalに脱皮すべく、もがいた年だったように見えます。
中元すず香さんがさくら学院を卒業したことから得られた時間を利用して、クチパクからの卒業しようとしていました。
「1999」から「1997」へ生歌が増えています。
「1999」ではSu-Metalのみイヤモニ、「1997」から全員イヤモニです。
これはYui-MoaがCO2ガン(ドライアイスのばらまき)をする際の掛け声で確認して貰うと良いでしょう。
「1997」で「最初で最後の」ハウリング。
クチパク時代はマイクをブラブラさせても問題ありませんでしたから。
そんな中、なぜ、「1997」でアカツキをUnfinished Ver.で歌ったのか?
しかも神バンドが登場してからアカツキをわざわざ歌っています。
アカツキ、結構難しい曲だと感じますので、Su-Metalは「1997」の時点では歌えなかったのではないか?
セットリストができても、Su-Metalが間に合わなかった。
プロデューサー側、Su-Metal、双方が高い「プロ意識」を持っているからこそ発生した妥協がUnfinished Ver.を生んだと考えます。
これなら、2012年卒業ライブで「桜色のアベニュー」(ソロ)を歌っているのですから短時間で対応できたはずです。

2014年からBabyMetalの快進撃が始まりました。
それは2013年にSu-Metalが全曲生歌へ切り替えることができたからではないでしょうか。

中元しず香=天才説がよく言われています。
私には天才かどうかはわかりませんが、努力して努力して努力した結果として今のステージがあると感じています。

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