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2015年8月

2015年8月30日 (日)

Leeds Festival

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 BABYMETALが昨日のReadingに続いてLeedsのメイン・ステージ一番手のライヴを終えた。
 これを書いているのはライヴ終了2時間後であり、Leeds Festivalはまだ続いている。ヘッドライナーのメタリカのステージで何かあるのか、今の時点では不明。

 

 それにしても、車で三時間も掛かるほど距離の離れた場所でフェスを同時開催というのは、なかなか現地に行かないと見当もつかないところがある。
 今年のLeedsはチケットが売れ残っているという情報があったが、昨日同様に集客は大丈夫だろうと安寧に捉えていた。
 昨日だって観客が集まったのは演奏開始後であったけれど、今日のLeedsは定刻10分前になってもステージ前は閑散としており、さすがにやきもきし始めた。
 駐車場やチケット交換所が渋滞しているとか、ゲートからメイン・ステージまで1キロくらいも歩かねばならないといったツィートが流れ、少し時間を押して進行するという情報もあった。
 しかし定刻になると、いつもの様にビデオ・イントロが上映され、昨日と同じセットリストに従って『BABYMETAL DEATH』が始まると、三人はステージに現れた。

 今日もPeliscopeで中継してくれた、日本から応援に行った人がいる。
 今回は全編を聴く事が出来た。

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 終わってみると、観客はそこそこ集まっていたし、モッシュもそこここで起きていた。
 しかし昨日のReadingに比べると、観客の数自体も半分程度な感じで、じっと立って見ている観客の方が多い。
 直後に流れるツィートも昨日程には無い。
 正直なところ私自身の昂揚も、昨日程ではなかった。

 しかし、ではLeadsでのBABYMETALの戦いは敗北だったのかと言えば、全くそうは思えない。
 メイン・ステージの1番手が集客に不利な事は織り込み済みだ。
 それでも昨日は予想以上に人が集まり、圧倒したのだ。
 3人は「昨日とは様子が違うかも」とすぐに察した様に感じられた。
 SU-METALの歌自体は、昨日と変わらず素晴らしかった。しかし歌って振りを踊るだけでは物足りないと感じたのか、歌の端々でアドリブ的な煽りを入れていたのだ。
 MOAMETALもアドリブを入れていた気がする。

 今のBABYMETALが「ギミック」ではなく「本物」であると断言出来るのは、こういうステージ・パフォーマンスを行うところだ。
 いつもと違う不利を感じたら、いつもよりも「もっと」と己の表現を拡大させる。
 いつも通りのセットリストをこなす「パッケージ」ではなく、一つ一つのステージ、それぞれの観客は毎回異なる生きた存在なのだと、3人は熟知し、ならばと表現方法を変えてくるのだ。

 

 Sonisphereでもそうだった様に、初めてBABYMETALに触れ「WTF」(What the F*ck=なんじゃこりゃ)と棒立ちで見ていた人が、後に熱烈なファンになっていくに違いない。

 昨日のライヴ後に流れたチェキ(記念撮影)やインタヴュウで、3人(特にMOAMETALとYUIMETAL)は少し疲れている様に見えた。ドイツで二夜連続のライヴを行い、一日の移動日でフェスに出演したのだから、幾ら若くて、尋常では無い体力をつけてきた彼女達であってもきつかったのかもしれない。
 しかし、今回のワールド・ツアー第3節最後のステージであったLeedsは、力を余すところなく発揮したと信じる。

 

 公式にアナウンスされた予定は消化したが、恐らく3人はすぐに帰国せず何らかのプロモーションを行うかもしれない。


【8/31 0:22 追記】

 動員に関してはLeedsも完勝だった様だ。いやだけど開始10分前くらいでもこんな感じだったのだ。

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 それがたった30分でこれだけの人になるなんて、何がどうなっているのかもうさっぱり。
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【3:00 追記】

 自分用メモ。昨日、今日に流れたウェブ報道リンク。

NME:Japanese teens Babymetal open day two of Reading 2015 with choreographed spectacular

BBC News Beat: Babymetal at Reading Festival: fans and the band on being different, bullying and criticism

NME: Babymetal Just Delivered One Of The Most Batshit Crazy Sets Reading Has Ever Seen

MTV: News:Babymetal Is Japanese Metal Meets J-Pop Perfection

GIGWISE: Babymetal disarm and dominate the main stage at Reading Festival

UPSET: Baby Metal help Reading Festival limber up

ROCKSOUND: 12 Photos Of Babymetal Bringing The Metal To Reading Festival


UTAB: The Most Unusual Band You Need in Your Life: BABYMETAL Are Taking Over

NME: Babymetal bring 'true metal' to Leeds Festival 2015 with Main Stage opening set

TeamRock: READING 2015 ROUND UP:DAY 2

BBC MUSIC: 8 bands that could be future Reading + Leeds headliners?

 BBC NEWS BEATが若干シニカルなトーンである以外は全て称賛。ネガティヴな記事は見当たらず。

Update

GIGWISE: 18 incredible photos of Babymetal at Reading Festival

Scunthorp Telegraph: Leeds Festival review 2015
The final day was the one for the true rock fans. Kicking it off with a strange but mesmerising set were Babymetal. The Japanese three-piece were undoubtedly the most interesting thing to watch all weekend as they ran around the stage armed with masks and some great choreography. Don't expect to see them this early in the day again.

Virtual Festivals: Leeds Festival 2015 review
Inexplicably, thousands upon thousands of fans started their final day watching three tiny Japanese girls in red tutus deliver a 'true metal' performance, as Babymetal (5) continued their unstoppable charge to Wembley Arena next year. It's billed as good, harmless fun and should be treated as such but the trio were so focused on landing every heavily choreographed step and their ticket sales pitch, James Hetfield could have landed a helicopter on top of the soundesk mid set, and it wouldn't have interrupted their stride.


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 Zeppツアーの3度目の抽選も、もう当然の様に外れた。最早当たるなど有り得ないとまで思えている。
 OzzFestのチケットはとうに入手済みなのだが、本当はラインナップ的にLoud Parkの方に出て欲しかったと個人的には思う。新しいヴォーカリストのKamelotはちょっと観てみたかった。

 WOWOWで、レベッカのリユニオン・ライヴが放送されていた。
 準メンバーのギタリスト、是永功一さんの姿を久々に見られた。昔『バブルガム・クライシス TOKYO 2040』(だったかな?)というTVアニメで大変お世話になった方だ。この時の音楽仕事については、いずれ書くかもしれない。


 8月は本当に体調が悪くて仕事も捗らず参った。
 そういった中で、BABYMETALという心の支えがあった事が個人的には有り難いと思っている。

2015年8月29日 (土)

Reading Festival――大勝利

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 今から2時間前、BABYMETALはイギリスのReadingフェス2日目、メイン・ステージの一番手として出演し、30分のライヴを行った。
 開演30分前までは観衆がなかなか集まらなかったのだけれど、あまり心配しなかった。
 開始直前には、ステージ上の3人の顔が見える様な位置まではほぼ埋まり、演奏が始まってから終わるまでには壮観な観衆が詰め掛けていた。
 まだ発表が無いので確かな事は言えないが、3万人弱はいたのではないか。

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 昨年のSonisphereフェスより少ないが、あの時は出番は3番目辺りで、対面するステージで交互に行われていたので、その時間に敷地内にいた観衆がほぼ集まったのだ。
 今回は一番手で、相当に不利ではあったのだが、レディングの歴史でも昼一の出番でこれほどの観客が集まった事も、ましてWall of Deathが幾つも起こる程に盛り上がった事もない、というジャーナリストのツィートがあった。

 観客はおよそメタル・フェス系とは全く異なる層で、アジア人はBABYMETALを海外まで追う数十人の日本人くらいしかおらず、現地やヨーロッパの若い音楽ファンばかりの様だった。当然BABYMETALを初めて見る人の方が圧倒的に多い。
 しかし直後から流れたツィートは絶賛ばかり。

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 私は映画美学校のイヴェントをばっくれて、ネットにかじりついていた。
 現地の日本人の女の子がPeliscopeで中継してくれたのだが、本当に有り難かった。最後の曲以外はリアルタイムで映像はともかくも、音声を聞くことが出来た。

『BABYMETAL DEATH』で始まったのだが、2曲目の『メギツネ』でSU-METALの歌を聴き始め時、目の奥が熱くなった。
 SU-METALの歌で泣いたのはこれで3回目だ。
 完璧ではなかったけれど、声の伸びも、声の通り方も、全てが最高な『メギツネ』だったのだ。

『Road of Resistance』で早くも観客はシンガロングとWall of Deathで一気に熱量が上がった(『メギツネ』で既にモッシュしているところもあった事が後で判る)。
『ギミチョコ!!』で畳み掛け、『イジメ、ダメ、ゼッタイ』で最高に盛り上げてクロージングだ。神バンドの演奏もタイトで、『DEATH』からロック好きな観客を虜にした様だ。

 海外ライヴでは最後に三人が一言ずつスピーチするのが決まりだが、今回はちょっと驚くスピーチだった。


 海外の速報メディアはどれも絶賛

 明日のLeedsフェスにも多くの観客が押し寄せる事は微塵の疑いもなく、BABYMETALは一日目にしてこのフェスに完勝した事が確定されてしまった。

 そんなに巧くいっていいものか、とちょっと怖さも少し感じてしまう。
 しかし、それが今のBABYMETALなのだろう。

 今はとにかく感慨に耽っていたい。

2015年8月28日 (金)

ベルリン公演

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 BABYMETALはベルリンにて公演を行った。前夜のフランクフルトよりも大きな会場を沸かせた。

 開演が近づくとネットに現地に集まるファンのスナップが多くアップされる。
 各国の若く美しい女性ファンが必ずいるのもお約束だ。

 Rock Im Revierの会場でPeliscope中継をしてくれたドイツの女性ジャーナリストが今回も何度か中継をしてくれたお陰で、映像は殆どよく見えないものの、ライヴの音は少し聴く事が出来た。
 今回の会場は音響が素晴らしかった様だ。Twitterなどに上がった短尺動画も大方の音が綺麗に録音されている。
 ファンカムで音質に言及するのが賢明でない事は判っているものの、今のハンドヘルド機のマイクと録音ソフトはカメラ同様に進化している。
 ベルリンの出音はギターが抑えめでヴォーカルがよく聞え、ベースもドラムも適切なバランスである様に感じられた。だからと言ってギターが聞え難い訳では全く無い。こういったバランスで国内も、ライヴ映像も仕上げて貰いたいものだ。

 コメントでも指摘があったが、この急遽挿入されたドイツ国内のライヴは、明日から始まるReading & Leedsフェスに向けて設定されたのだろう。相当に入念な計画だ。
 セットリストは二夜とも同じで、このところ国内では披露されなかった『おねだり大作戦』『悪夢の輪舞曲』が入っているが、『あわだまフィーバー』『違う』(仮)といった新曲は無い。ヨーロッパ販売のearmusicの本拠地でのライヴであり、現時点では1stアルバムを売りたいのだから納得出来るセットリストだった。

 ステージ・パフォーマンスには、少しずつ変化がある様だ。
 ショウの冒頭、白幕を落とす演出は今回は無い。

『ギミチョコ!!』のCall & Response、最後にSU-METALのマイクにYUIMETAL+MOAMETALが集まるという演出はSummer Sonic以降お決まりになっている。
 コーラス最後は3人のフル・ユニゾンで、実に華やかな歌声を聴かせてくれる。

『ヘドバンギャー!!』の歌い出しで、SU-METALはヴィブラートを強調した歌い方をしている。やろうと思えば自在に掛けられるのよと言わんばかりで、実に頼もしい歌声だった。

『Road of Resistance』曲冒頭の旗を開くパフォーマンスで、YUIMETALはかつてない程に勇ましい表情を見せる演技になっている。

 そしてSU-METALは歌ばかりでなく、観客へ煽りの叫びをする音程がどんどん高くなっていると思う。自身の喉に不安が無いのか、リミッターがどんどん外れているのかもしれない。

 変化は少しずつでも、確実に進化しているのだ。



 そして、いよいよ2015最大のイヴェントを迎える。

2015年8月27日 (木)

フランクフルト公演

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 ライヴ・ログ更新。

 BABYMETALは海外ツアー第三節初戦、ドイツ・フランクフルトでのライヴを無事に(見事に)終えた様だ。
 大きな発表があった直後だが、例によってMCなどでそれに触れる事もない。

 

 ウェンブリーのワンマン・ライヴがどれだけ大きな意味を持つのか、まだ私自身の中で全く整理されず、ただ驚き舞い上がった。
 こういう時ほど「冷静に考える」事の無意味さをも感じてしまうが、いずれは考えが整理出来るだろう。

2015年8月26日 (水)

[BREAKING] BABYMETAL ウェンブリー・アリーナで単独公演

 

 まだ詳しい事情は不明ながら、来年4月にBABYMETALは、イギリスのウェンブリー・アリーナ(キャパ:12500)で公演をすると「Kerrang!」誌にスクープ記事が掲載されている模様。

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【追記1】公式ツィートも確認。

 

【追記2】そしてそのPRとして昨年Sonisphere Fesitivalに於ける『イジメ、ダメ、ゼッタイ』ライヴ動画がオフィシャル公開。いやだから30分全部……


【追記3】 Reading & Leedsの記事で何この思わせぶりな……。
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【追記4】earmusicの広報によると、10月にヨーロッパでLondon, Budokanのライヴ盤が発売される模様。

2015年8月25日 (火)

LEGENDARY LIVE

 プログラム論考再開はもう少し猶予を戴きたい。
 いずれにせよあと数曲しか残されていない。

 ちょうど今、WOWOW LIVEでWeather Reportの1978年にドイツ・オッフェンバッハで行われたライヴの映像を放送している。
 Jaco Pastoriousが在籍した時期では最も状態の良いライヴ映像で、輸入DVDも持っているし、ライヴ・アンソロジーCDボックスにもDVDが同梱されていた。
 散々見たライヴ映像ではあるが、やはり見入ってしまう。
 不世出のベーシスト、ジャコの比喩で無く壮絶なプレイは、もう映像でなければ二度と見られない。
 このライヴではそうでもないが、Peter Erskinのドラムは気持ち良い程に走る(テンポが途中で速くなる)。




 ライヴ映像というと、BABYMETALを知る以前、私個人にとって最高のものを挙げるならThe PoliceのSynchronicity Concertがそれだった。これも飽きる程見返した。
 一番最高の状態のThe Policeが、コーラス・ガールのみを従えたライヴで、ビデオ・ソフトとして発売された(私はLDで持っていたが、これで見返す事はないだろう)。監督はゴドレイ&クレーム。観客がまるでダンサーの様に編集されている。
 シンセの同期を導入しても、Stewart Copelandのドラムがタイム感を支配している。
 やはり私はレギュラー・グリップのドラマーに偏愛を抱く(メタルのドラマーでは殆ど見掛けない)。
 既に次の曲のカッティングが始まっているのに、指にテーピングを巻き続けるStewart Copelandを映し続けるキャメラ。この場面が最も昂奮する。フィルを入れる直前にスティックを素早く握るカッコ良さに痺れる。


 私にとっては、自分がその場に居たライヴと、映像で体験したライヴとの差が少ない傾向があるかもしれない。
 後楽園球場で見たロック・コンサートはリアルな体験だったが、東京ドームのコンサートは疑似体験に近い体感記憶になっている。

 私は演奏者(シンガー)をよく見たいという欲求が強いので、ライヴ映像が好きなのだ。

 

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 昨年のSonisphereの総集編ライヴ映像は、CSのMusic Airで死ぬ程リピート放送されている。BABYMETALは『イジメ、ダメ、ゼッタイ』一曲のみだが、Metallicaの場面では神バンドらがステージ袖で盛り上がっている場面も流れる。

 散々ファンカム等で見直した映像でも、改めて注意深く見ると興味深い。
 最後の曲は、既に5万(6万とも7万5千とも言われる)の観客が声援をBABYMETALに送っている、とは判っているのだが、実際には前方の1万人くらいかな、と意地悪く奥の方を凝視してみると、HDとは言えビットレートが低い画質なのではっきりは言えないが、FOH卓の遥か後方の観衆までもが両手を挙げた肌色で埋まっているのだ。
 改めてその事実に接すると、どれだけの事をBABYMETALが起こしたのか空恐ろしくすらなってしまう。

 今年のワールドツアー第2節、ドイツのフェスは芳しい結果ではなかったというリポートが「ヘドバン・スピンオフ」にある。
 しかしその後のオーストリアでのフェスは、見事に観客をステージ前に集め、BABYMETALのライヴではあまり見られない両手を上げての拍手を観衆が送る場面が見られた。

 今週末には、因縁とも言えるドイツでのワンマンがある。
 そして、伝統的なロックフェス、レディング&リーズ。ここでBABYMETALがどういうLEGENDを残すのか、刮目している。

 ああそれにしてもSonisphereのフル映像を観たい。
 許されるなら、フェス開催者に交渉し、ファンカムも悉く集めて最高の編集をしたいくらいだ。間違いなく、私にとっては「最高のライヴ」映像になるだろう。


2015年8月23日 (日)

NEWSBIRD BABYMETALインタヴュウ文字起し

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リード「イギリスの音楽雑誌から賞を受賞するなど、海外を中心に人気を広げている日本人少女3人組の音楽ユニットBABYMETAL。現在世界ツアー中の彼女達に単独インタビュウを行いました」

――3人、いつもの自己紹介。
SU-METAL「(小さく)はい、SU-METAL DEATH!」
YUIMETAL「YUIMETAL DEATH!」
MOAMETAL「MOAMETAL DEATH!」
SU-METAL「私たち」
3人「BABYMETAL  DEATH!」

ナレーション(以下N)「『アイドルとメタルの融合』を打ち出した3人組少女ユニットBABYMETAL。去年から海外進出を本格化させ、現在は10カ国を回るツアー中の彼女達。イギリスの二つの有名音楽雑誌から音楽賞を授賞されるなど、海外での人気を確立しつつあります。今回、そのBABYMETALに単独インタビュウを行いました。
 まず訊いたのは、メイン・ボーカルのSU-METALさんの“英語力”についてです。去年取材した際には、海外のメディアの方からも取材してもらう時に、『直接話せたらな』とムズムズする、と語っていたのですが……」

――Kerrang! Golden Gods' Awardでのスピーチ。

「授賞式では英語のスピーチを披露、会場を沸かせました」

取材ディレクター(以下D)「1年で何があったんですか?」
3人「(笑)」
SU-METAL「学校だったりとか、あとはそういうツアーの間とかはなるべく英語で話す様にしようと思って。なんか拙(つたな)い単語だけでもきちっと話せるようにって思って」

「また、この授賞式ではイギリスのメタルバンド、DragonForceとの共演も果たしました」

MOAMETAL(DragonForceのメンバーは)なんかとっても優しい方で、日本語とかも勉強して下さっていたので、なんかBABYMETAL愛が伝わってきてすごい嬉しかったです」

「MOAMETALさんは他にも、ROCK IM REVIER等の)フェスティバルで一緒になったバンド、Limp Bizkitについて話してくれました」

MOAMETAL「なんか……、Limp Bizkitさんも、私たちと同じ様に結構ダンスを踊る系の音楽なので、なんか同じものを感じて最近は、たまにLimp Bizkitさんを検索して、聴いて、お勉強しています(笑)」

「ちなみに好きな曲とかは……」

MOAMETAL「あっ……(笑)、(Fred DurstのMVでの手振りを真似しながら)"My Generation"が好きです」

「また、YUIMETALさんは去年、イギリスのSonisphere Festivalで、Slayerのステージを見て影響を受けたと言います」

YUIMETAL「Slayerさんの中でKerry Kingさんという方がいるんですけど――、なんかYUIMETALって〈メタラーさんってロン毛〉っていうイメージがあったんですよ。Kerry Kingさんはもう……、坊主……? 髪が……スキンヘッド! で、髪が無かった、んですけど、でも、なんかその髪の力を使っていないヘドバンが凄くカッコよくて、なんか、髪がバサってなってないのに、すごい頭が(を)振ってる様に見えたんですよ。それが、すごい、いつもヘドバンをやっている自分からすると『カッコいいな』と思って。なんか、なんだろもう、我を忘れてる感じ、なんか本当に自分のライブの中の世界観に入ってる感じがすごいカッコよかったので、自分も本当にライブの意識がなくなるくらい、YUIMETALっていう存在になりきろうと思って、いうのを学びました」

「彼女達の活躍で、日本のメタル・シーンも盛り上がりを見せています。
  こちらのレコード店(レコファン)では、外国人観光客の増加もあり、ダウンロード全盛の時代にあって、売り上げは前年比で2割以上も増えました。中でもメタルの売り上げは大きいと言います」

レコファンBEAMS店店長「ただメタルに関しては、モノ(レコード/CD)として持ちたいんですよ、みんな恐らく。BABYMETALから入ってきてくる様なファンが、ちょっとでも(メタルに)興味を持って、ライブに足を運んでくれたら、ほとんど健全な感じになっていくんじゃないかと僕は思うんですけどね」

「ワールドワイドな活躍を見せるBABYMETALですが、SU-METALさんはやはり、“日本は特別”だと語ります」

SU-METAL「ワールドツアー回って、その、国によって反応が違う、んですね。それぞれの反応を見て、日本に帰ると、やっぱり『ここが、ホームだな』ていう感じは凄くあって……。
 (YUIMETAL+MOAMETALの)『合の手』で一緒に歌って下さるので、曲が(それによって)完成している(する)様な感じがして、なんか『安心感』ていうのは日本はすごく大きいですね」

「これまで日本人が到達した事のない領域に足を踏み入れつつある3人ですが、その決して驕る事のない姿に感銘を受けました」






 NEWS23と同時に作成されたCS TBS NEWSBIRDで放送されたインタヴュウ(Dailymotion)は、地上波放送とは異なる部位の談話が多い独自の編集であった。
 普段のBABYMETALのインタヴュウには無い、極めて有意義でディテイルに富んだ内容だったので、文字起こししておく事にした。

 これは私のブログですべき事でもないが、後にBABYMETALの事を調べたい人の為に、テキスト化しておくべきだと思ったのだった。(動画がいつまでも生きているとも思えないので)
 カナ漢字の用法は普段の私のものではなく、一般的にしてある。

 NEWS23とも、取材構成は報道部の川西記者(完全にメイト)。

 SU-METALは英語について、特別な教育は受けていないと言っている様だが、だとしたら素晴らしい事だし、語学的センスが極めて高い。
 MOAMETALがLimp Bizkitについて語る時は、もう途中からリズムをとりながら話し出している。こればかりは映像で見ないと判らない彼女の魅力だ。
 そしてYUIMETALが、ここまで長いセンテンスの答えをするインタヴュウは初めて目にした。今後のインタヴュワーは、じっくりと話を聞き出す努力をしなければならない事が明らかとなった。聞けば幾らでも話が出てくるのだ。

 私個人の一番印象的だったものはしかし、3人の表情だった。
 特にMOAMETALの、真っ直ぐな視線を向ける、純白の白目と大きな瞳を、あんなに間近で見たら正気を保てる自信は全く無い。

 という事で素晴らしい取材だった事は認めざるを得ないが、川西記者には嫉妬心しか抱けない。心が狭いからだ。

2015年8月22日 (土)

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 BABYMETALはファンクラブ限定で20日に女性のみ、21日にコープス・メイク必須な男性のみのライヴを行った。
 昨年以降のファンクラブ向けミニライヴは、ワールド・ツァーに出る直前の言わば公開ランスルーの様な位置づけで行われている。勿論、BABYMETAL自身は全力でやるのだが、1時間程度のセットリストで、特段に凝った演出が無い。
 いつかはこうしたライヴを「まだライヴに行けていない人」向きに開催して欲しいと思う。

 赤ミサには生徒の1人が参加したので「どうだった?」と感想を聞こうとしたのだが、いや本当に愉しかったらしいのだが、それを聞いている自分が腹立たしくなって「もういい」と遮った。我ながら心が狭い。
 後になって、Tシャツを買ってきて貰えば良かったとも思ったのだが、冷静に考えると赤ミサTは可愛い過ぎて流石に私は着られない。


「METAL HAMMER」誌BABYMETAL表紙号の付録CD「Attack of the 50-Foot Riffs」を聴いてみた。今のメタル・シーンの格好のサンプラーだろう。
 しかし聴いていく内に「これはいかん……」と気分が沈んだ。
 ドラムは8分ベタ踏みとか、のべつ幕無しにブラストビートを踏むだとか、ヴォーカルもハイトーンを持たないところはクリーン+グロウルがまるで約束事の様に配される。
 CDのタイトルと相反して魅力的なリフなど殆どなく、ちょっと気を抜くとすぐにエモな曲調に転んでしまう。そうではないバンドはひたすら古典的なハードロック。
 2000年代以降のメタルに進化が認められない、という感覚を改めて突きつけられ形だ。

 過日のNEWS23での特集は、BABYMETALの海外人気を「メタルの復権」という現象面で捉えようという主旨でまとめられていた。
 新聞記事にせよ雑誌記事にせよ、記事の本文を英語では「Story」と呼ぶ。ある予断、見立てによって取材者が構築する物語である。ドキュメンタリの構成も全く同じであり、当然出来上がった「物語」と現実とには差異が有り得るものだ。

 NEWS23の特集がそうした主題らしいと知って、実のところ少し懸念を抱いていた。
 BABYMETALが海外で熱狂を生んでいる事と、メタルというジャンルの復権については、今後それを期待されているのは確かであっても、現時点ではっきり結果が出ていると客観的に言える段階ではないからだ。
 しかし実際に放送された特集の構成は、あまり無理のない流れになっていた(CarcassやManowarのアルバムがロング・セラーである事とBABYMETALとは全く関係が無いのだが)
 CDショップ店頭で「BABYMETALをきっかけにメタルを聴く様になった」若い人と、「若い頃に好きだった洋楽に復帰した」という我々世代(より若いが)の談話があり、後は期待を掛ける様なコメントだった。
 前々エントリのコメント欄で指摘のあった、MOAMETALの「(BABYMETALを好きになった人が)もっとメタルを勉強してくれたら嬉しい」という発言には私も少し驚いた。
 そのコメントへのレスの指摘にある通り、MOAMETALの「極めて高い空気を読む能力」が、取材ディレクタ-の「こう答えて欲しい」という意図を読んだのだろう。

 Kerrang!やMetal HammerがBABYMETALを積極的に評価し、賞を与えたのはファンにとっては素晴らしい事だったが、授賞意図の深層にはコアなメタル・プロパーへの強烈なカンフル剤という狙いもあったのではないかと思う。
 完全にメタルだと断言出来るオケに、ロック・シンガーだという気負いが全く無い伸びやかな、しかし異様な説得力を持つヴォーカルと、どこまで真面目にやっているのかと困惑させる合の手というBABYMETALのトラックは確かに、紛れもなく「新しい」事をやっている。
 新しいものを生むには異化要素が不可欠なのだ。
 90年代のミクスチュア・ロック及びNuMetalは、強固な拒否反応を示す層を生みながらも、確かに新しい事をやっていたし、現在までその影響は続いている。
 この時の異化要素はFunk,R&B,HipHopなどのブラック・ミュージックであり、そしてエレクトロニカであった。
 結局この頃の配合レシピが今も普遍的に用いられている。

 ダンス系音楽に於いても、2000年代以降に新しい感覚のシンセ音が殆ど生まれていない。
 80年代、90年代にはシンセのデジタル化が進み、耳新しいサウンドが次々と生まれた。
 しかし近年はアナログ・シンセをサンプル化した、あまりにも手垢のついた音ばかりではないか。

 BABYMETALというプロジェクトについて「志が高い」と思える事の一つには、メタルをモチーフにすると決めても、決してパロディにはせず本気でそれに取り組んだ事だ。
 更に狭義のメタルに拘泥せず、パンク(ハードコア)やEDMも取りこみ、更にスカといった新たなビートも貪欲に入れ込もうとしているところだ。

 停滞しているのはメタルに限る話では無い。一般ヒットチャートに上がる曲の殆どが音楽的には停滞していると断言出来る。

 BABYMETALにあまりに大きな使命を背負わせたくはないが、彼女達のMetal Resistanceはメタル・シーンのみならず、ポピュラー音楽全般の中でも先鋭的な取り組みであり、今後に現れるミュージシャン、アーティストに直接・間接的に影響を与えるだろう。

 BABYMETALはこの後、ドイツで二夜のライヴを行った後、遂にイギリスのレディング&リーズ・フェスティヴァルのメイン・ステージに出演する。

2015年8月20日 (木)

主にお詫び

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 本ブログはプログラム論考が主旨ではあるが、書いている時期の同時性も重視している。論考は書いた時点にて得られた情報がリソースであり、書いた時点の考えを述べている。
 書いている期間が想定よりも長くなっているので、初期に書いたものと現在の観点では違っている部分も出ている。

 そして、書いている最中のリアルタイムな出来事も、言わば「ログ」(ブログはその一形態)として書き残しておきたい。ネットのリソースはそうあるべきだと考えている。

 BABYMETALの3人の呼称については、コメント欄が荒れるやもしれないとは思っていたが、遥かに想定を越えるもので、もうこれはひたすらに申し訳ないとお詫びするしかない。

 ただ、ログとして記述しておこうとした判断は今も変わらない。
 本ブログのデータの出典はいちいち記さない旨は、「このブログについて」でも記している。自身の著書では注釈を入念につけるが、このブログはあくまで趣味であり、そもそも確かなものを書いている訳では無い。
 そういうコンテンツだと了解戴くしかない。

 勿論リンクを貼りやすいものについてはなるべくリンクを記している(ココログのエディタに「別タブで開く」リンクは自動生成されないので、いちいちHTMLに手打ちでタグを書いている)。

 本ブログで「ネットでは」とか「某スレで」とぼかして書いているのは、勿論2ちゃんねるの事である。
 この掲示板が主に運営会社の意向で「転載禁止」になっており、本ブログも今は消しているが私自身の著書の宣伝リンクを貼る場合もあるので(アフィリエイト収入は設置以来500円だが)、生のままの転載は避けていた。

 私が知る限り件の「三姫」についての書き込みが最初になされた当該スレはすぐにDAT落ちしている(と書けば自ずと何処のスレかは判る人には判るだろう。IDが出ないところだ)。
 この書き込みがオリジナルだという確証などもなく、何処か別のところからのコピペである可能性もあり、出典を書く事にはあまり意味がないと判断する。

 ただ、書かれている概ねについては、誰でも検索すれば正しいと判るものであり、BABYMETAL3人への見立ても、MOAMETAL=時姫という根拠のみが薄弱なのが惜しまれるものであった。
 これを書いた人に敬意を表する意図で、この書き込みは「引用」という形で明示したのだった。
 勿論、これを書いた人にしても私も本気でそう信じている筈もなく、私は「ネタ」として上出来だと感心したのだった。

 私自身は今後も「三姫」と呼称するつもりはない。
 コメント欄のやりとりで心を痛めた方には平に伏すばかりだけれど、今後もコメント欄で、「三姫」と書かれる方を抑制したくない。そう呼ばずにはいられない気持ちが、今は前よりも理解出来る。しかし本来どう呼ぼうとも、それが対象者を貶める意図が無ければ自由であるべきだ。ただ、そう呼ぶ事を嫌う人がいる事は、書く人も自覚をして欲しいと願う。
 そして、「三姫」と書かれるコメントがあっても、その呼び方を好まない人は、その呼称部分をスルーして、コメント本来の論旨を読んで戴きたいとお願いする。

 何故これほど呼び方一つで激しい反発が生まれるのか、以前はあまり考えない様にしていたかもしれない。何もBABYMETALが好きな人同士で論争の種となる事を敢えて言及するのは良い事では無い筈だ。

 ただ、今回のエントリに於けるコメントの紛糾は、単に「姫」呼称だけの問題ではないのかもしれない、と思い始めている。
 これについては今はまだこれだという観点を見出す段階ですらないのだが。

 ここからは単に「姫」呼称問題に限らずにもう少し観点を広げる。

 以前から指摘している様に、BABYMETALは様々な見立てが出来る事が魅力の一つだ。
 幅広い世代が、自身の体験、自身の観点で見立てを試みる。それはBABYMETALという存在を理解する為に必然的な思考方法なのだと思う。
 そして他の多くのファンと共有可能な価値観を見出していく。

 少し飛躍する事を述べるが、オキシントンオキシトシンというホルモンがある。愛情を感じる男女間の間に生成される、「心を落ち着かせるホルモン」である。媚薬的なものというよりは、心を許し合う同士に生成される物質である。
 このオキシントンオキシトシンはしかし、それを共有する者同士が、そうではない他者に攻撃的になるという作用も有しているのだ。
 詳しくは検索で調べて戴きたい。

 好きな対象を、「自分が何故好きか」と定義づける時、「見立て」という思考法が浮かび上がるのだと述べた。
 これは同時に、「こういう見方をされたら嫌だ」という考えも浮かびやすくなる。これも仕方の無い事なのかもしれない。

 BABYMETALとファンの関係に於いて、ホルモンが媒介する筈もなく、言わばミーム的なこれも見立ての考え方だ。

 ただ、私個人にとってBABYMETALは「こうだ」という見立てを軽々と逸脱し、もっと大きな違うものだと認識を幾度となく改める事を強いてきた存在だ。

「NEWS23」放送後の感想Tweetを流し見していた中に、これまでBABYMETALにあまり関心を持っていなかったメタル愛好家のコメントが印象に残った。
「時に自分の価値観をリセットしなきゃいけない時ってある様だ」といった論旨だった。
 保存していなかったので全くの意訳だが。

 呼称といった表層に限らずだが、「こうでなければならない」という観点を広げる事で、恐らくBABYMETALの面白さ、魅力は一層増すのだと私は信じているし、多くの人もそれを個人個人で既に体験している筈である。

 
 

 NEWS23は本当に作り手の愛情を感じる編集だった。
 DragonForceとのライヴやRock On The Rangeのプロショット、瞬間的にだがWorld Tour 2015第一節のエキゾチックなステージなど、瞠目する映像が労を惜しまず集められていた。
 歌を流すところには歌詞のスーパーを乗せて、BABYMETALの歌世界を可能な限り伝えようという熱意を感じた。
 そうした素晴らしい放送があった日に、コメント欄で嫌な気分を抱いた人には本当に申し訳なく、重ねてお詫びを申し上げたい。

 そして本日は女性限定ライヴ「赤ミサ2」である。
 私は同時刻にO-Eastすぐ近くの映画美学校で講義をしているのだが、生徒の1人がライヴに行くなどとほざいていて、実のところ腸が煮えたぎっているところだ。

※ホルモンの名前を誤記していた。ご指摘ありがとうございました。
 前々のエントリへのコメントは終了させて戴きました。

2015年8月19日 (水)

NEWS23は素晴らしかった

 前回のエントリについてのお詫びは後ほど。
 取り敢えず、TBS NEWS 23での特集は短時間で極めて見応えのあるものだった。

三姫

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 今回のエントリは完全にまとめブログ・モード。

 まず記述しておくのは、CNNのファッション系サイトに於ける「Dr.マーティン靴とロック・ミュージシャンとの因縁」を巡る特集で、古今の10ミュージシャンが選抜され、スライドショーが設置されているのだが、その一番手にBABYMETALが選ばれた。
 昨年春にプロモーションで訪れたニューヨークでダナ・ディストーションによって撮られた一連の写真の一枚だが、私は初めて見るものだった。
 今のステージでは、YUIMETAL+MOAMETALはもっと軽そうなタイプを履いていると思う。

http://edition.cnn.com/2015/08/17/fashion/gallery/dr-martens-55-years-counter-culture/index.html

 そして過日のSummer Sonic 2015の開催時に最もTwitterで言及されたアーティストが、居並ぶヘッドライナーを抑えてBABYMETALだという発表があった。昨年は3位だった様だ。


 以前コメント欄が荒れた原因の一つでもあった話題に進展(?)があった。
 BABYMETALの3人を「三姫」と呼ぶ事については、恐らく世代間で好悪が別れるのだけれど、昨日の某スレで驚くべき書き込みがあった。
 以下引用。

歌舞伎の時代物に登場するお姫様のことを「赤姫」と呼びます。
何故「赤姫」などと呼ぶかというと、その衣装の色が赤を基調にしているからです。

この数多い時代物の「赤姫」のうち、特に3人の代表的な「赤姫」を「三姫」と呼んで他の「赤姫」と区別しています。
"八重垣姫"、"雪姫"と"時姫"の3人です。この「三姫」は数多い「赤姫」の役の中でも女形にとって至難の大役とされ気品と美しさが要求されるのです。

「三姫」のうち"八重垣姫"は「狐火(きつねび)」という奇跡を起こします。

"八重垣姫" 狐火の奇跡を起こす すぅメタル
"雪姫" 透き通るような白い肌の ゆいメタル
"時姫" その笑顔で時を止める もあメタル

 引用終わり。

※参考
 赤姫
「本朝廿四孝」

 若干こじつけめいた部分もあるが、伝奇小説的な解だと唸った。
 ついでに、昨日、前田遊野がSummer Sonic 大阪で、BABYMETALのステージを袖で観る機会があったというツィートにて、「3姫」という呼称を用いていた。
 風は「三姫」に吹いている、らしい。


 TBSのNEWS 23でBABYMETALの特集が放送されるというので楽しみにしていたが、大事件が多かったので後日に延期となった。

2015年8月17日 (月)

SUMMER SONIC 2015

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 8月のお盆は、片やコミケ、片やSummer Sonicという両極なイベントが日本には定着した。どちらにせよ気象コンディション的には苛烈であり、どちらに参加する人々も私から見ればフィジカル・エリートだ。
 すっかり体調が落ちて難儀している……。

 言うまでも無くBABYMETALのSummer Sonic 2015は盛り上がった。多くの初見者が驚きの賛辞ツィートを多く流した。
 WOWOWはいずれBABYMETALの映像を流す筈だ。生中継番組では1日目の東京(というより幕張)の1分足らずの映像とコメントしか放送しなかったが、全く無いと覚悟しながら録画していた在宅の私には極めて有り難かった。
『ギミチョコ!!』のCall & Responseの最後は、SU-METALのハンドマイクにYUIMETAL+MOAMETALが寄り添って一緒に「Thank You!」という過去に無い演出は、恐らく彼女達自身が考えてのものだろう。汗だくでも実に愉しげな表情は普段のステージ映像では見られないものだった。

 以前からファンである事を度々表明していたYUIMETALは、ヘッドライナーの1人であったアリアナ・グランデと無事に対面出来た。
 Metal Hammer Golden GodsでBABYMETALにスタンディング・オヴェーションを贈ったというマリリン・マンソン、再三BABYMETALが好きだと発言していたMarmozetsらとも記念写真を無事撮ったBABYMETALにとって、2014と同じマウンテン(2nd)ステージでの出演であっても、2015のSummer Sonicは忘れ難いモーメントとなったに違いない。

 やっっっっと私のところにも、「Metal Hammer」のBABYMETAL表紙号が送られてきた。あまりにも他の人より遅いので、何かの間違いがあったのかと諦めかけていた程だが、まるで抽選に当たったかの如く嬉しい。

2015年8月15日 (土)

『あわだまフィーバー』をついに

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 ファンクラブ限定でリリースされた『LEGEND 2015 新春キツネ祭』のライヴBlu-rayが手元に届いた。
 ライヴ映像盤はプログラム批評を書き終えるまで通しで見ない事にしており、未だにロンドンも卒業式も観ていないのだけれど、こればかりは開封せざるを得なかった。
 この盤で新曲が公式リリースになったからだ(部分的には既にWOWOWで観ていたのもあるが)

 それにしても、パッケージ、インナースリーブにも映像内にも一切のクレジットが無い。
 一般販売品ではないにしてもあんまりだと思う。商業ドラマ映画では有り得ない措置だ。

 映像は基本的にWOWOWで一部放送されたものと同一の様だ。付き合わせて検証はしていないが、カットが多少追加されているかもしれない。『Road of Resistance』Live MV程に凝った編集ではない。
 音に関しては音圧はあるが、やはりハイ上がりでミッドローが薄い傾向は同じ。ギターが立ちすぎてヴォーカルが引っ込む傾向はMetrockも同様だったが、この盤ではドラムはよく聞える。
※幾度かコメントで反論されているが、私の映像ソフト視聴環境は一般的なAVアンプ+6.1chシステムである。音源毎にEQを変える事はしない。それはソフト側がすべき事だからだ。この視聴環境にてノーマルに再生出来るソフトがある以上、BABYMETALの盤には不備が多いと判断している。

 プリレコーディングはかなり抑えめのバランスで、『あわだまフィーバー』のスタジオ録音版がもしあるとしても、相当にこのライヴ音源とは印象が異なる気がする。

 クレジットが無いのでトラックメイカーは不明のままであるが、やはりTAKESHI UEDA (AA=)であるのは間違い無さそうだ。
 あまり大きな声で言えないものの、流出音源で聴いた印象とは概ね同じなのだが、インダストリアルなメインのギターリフにはずっと2拍3連のノイズのヴァンプが付いている事が初めて判った。YUIMETAL+MOAMETALの振りもこのノイズ・ヴァンプに合せているところが多い。
 サビ・コーラスでは、YUIMETAL+MOAMETALがハモっているかもしれないと期待していたが、やはりハモりは音源側だった。2人は「Oh Yeah」という合の手を生で歌っている。

 このサビ・コーラスのメロディには絶対に既聴感があるのだが、モータウンやオールディーズっぽいというかフレンチ・ポップスっぽいというか、もしかしたらトーレ・ヨハンセンの方向かもしれず、しかしどうしても思い当たらなくてモヤモヤは今尚晴れずにいる。
 しかしモデルが何であれ、クリシェだ。
 昨今のポップスでは無かった温故知新的なセンスは大いに讃えたい。

 このプログラムはこれまで日本でしか披露されてこなかったので、当然ながらライヴ映像は殆ど無かった。
 このソフトの映像だけで振付けの全容は判らないのだけれど、概ねの印象は他のプログラムにはない動作やモーションが多く、観ていて楽しいものだ。
 しかし基本的には曲を通して表情が一本調子ではあるので、今後ライヴを重ねていく事でまた違う表情が観られる様になる事を期待したい。

 そして15,16日はSUMMER SONICにBABYMETALが出演する。

2015年8月12日 (水)

Over The Future の受難

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 本ブログ記事中、プログラム論考以外では最も支持されていたエントリが、「Over The Future」だった。
 ネットのあちらこちらに散在していた情報をまとめただけで、私見をささやかに書き添えただけのエントリではあったが、BABYMETALが「大人にただやらされているだけ」の存在ではない事を強く感じさせるエピソードで、BABYMETALを考える上では避けて通れない重要な楽曲であり、またそれに気づいた先駆的ファンの書かれた文章にはとても啓発されたのだった。

 過日YouTubeの「Over The Future」動画が一般社団法人日本レコード協会によって公開停止となってしまった。この動画はかつてAmuse Inc.の申し立てで一度公開停止措置がとられたが、その後解除されて200万再生まで行っていたものだった。

 はて、BABYMETAL版「Over The Future」は音源すらも発売されておらず、何故に日本レコード協会がと訝しむ事を禁じ得ない。
 かつてニコニコ動画では同団体による恣意的かつポリシーが見えない大量削除事件が幾度か起こっている。

 CDが大量に売れる事が無くなった現代で、新たな取り組みで音楽や表現を世に送ろうとする側にとっても、動画共有サイトは何よりも威力を持つツールだ。
 非公式動画群なくして今のBABYMETALは有り得なかった事は、誰も否定出来まい。
 動画を共有する事の適法性については、一方的な著作権保護のロジックばかりでなく、FairUseというフェイズも認識されるべきだ。

 さりとても動画共有は永続性を期待出来るものではない。
 BABYMETALがいつまで続けられるプロジェクトであるかについては、今の形がずっと続く訳では無い事をファンの多くは覚悟しており、だからこそ「今」を慈しんでいる。


Over The Future : 思うところ・・
一時公開を停止されていたが、再び公開されている。

2015年8月11日 (火)

アンケート結果

 アンケートに回答戴いた方、ありがとうございました。
 まだ回答上限の1000には達していませんが、ほぼ趨勢は判りました。

 結果はこちらです。




 言うまでも無いが、このアンケートはBABYMETALファンの一般像ではなく、何故BABYMETALに惹かれてしまうのかという理由を屁理屈で理解しようという、無謀なブログを生温く読んで下さる方々のデータなので、ライヴ来場者やTHE ONEのデータとはズレがある。
 ただ、「アイドル・ユニット」にせよ「メタルバンド」と捉えるにせよ、支持する年齢層は幅広く、年長者が多いというのは特徴だと断言しても良いだろう。

 統計学については殆ど無知であるので、ぼんやりとした設問をしてしまったのだが、ここに来られる方々も「他の人はどうなのか」と思われているだろう事柄を選んだつもりだ。

† 先ず男女比

 現代の統計としてはLGBTに配慮した設問であるべきかもしれなかった。
 赤ミサの実施などで女性ファンも増えているとは思うのだが、やはり女性は少ない。
 逆に考えると、BABYMETALが国内でもっと認知を得るにはここを攻めるべきだとも言えよう。「Numero」誌のグラビアの様な露出が効果を上げていく気がする。

† 年齢層
 40~50代が圧倒的だ。

† BABYMETALを好きになった時期
 均等な統計値ではなく、爆発的に増えた2014年度の特筆すべきエピックを細分化した。
 やはりソニスフィア新規が最も多い。それだけインパクトのある出来事だった。

† メタラー属性
 これは全く聞かなかった人が比較的に少ない結果だった。

† 洋楽・邦楽指向
 邦楽のみの人が少数派。

† アイドル属性
 近年アイドルに関心を持っていなかった人が多い。

† BABYMETALのライヴ経験
 これは意外な結果だった。まだ行っていないが行きたいという人が、既に行っているという人と拮抗している。
 それだけ未だ観られずにいる人が潜在している。

† 楽器・音楽経験値
 恣意的過ぎる設問で反省しているが、楽器演奏や音楽現場の経験者が多いのではないか、という疑問を持っていたので質問した。プロアマ経験者は全く未経験者とほぼ同数であった。これは相当に多い割合だという感覚を抱くが、この値を他の統計と比較する事は困難だろう。

† 日本のアーティストが世界で活躍すると思っていたか
 BABYMETALが世界に完全に認知され、活躍しているとは未だ言えない。しかし日本の軽音楽史上では未曾有の存在感を既にして得ている事に論は待たない。
 これを「どちらかと言えば洋楽」を楽しむ音楽ファンにどう捉えられているのかについて、私は強く関心を抱いている。
 選択肢の一つである「期待をしていた時期もあったが忘れていた」が、私の率直な実感であった。また「自分がそうなると思っていた」事も、若い頃に夢想しなかったとは言えない。
 これは統計データというよりも、そう考えた人が多いという事実だけを得ておきたい。


2015年8月10日 (月)

【再】BABYMETAL試論アンケート

Access

※Webアンケートを別途に設けました。大変申し訳ありませんが、一度回答戴いた方も、再度お願い出来ると幸いです。
 今度のところでは結果をすぐに見られますが、コメントは書き込めません。1000件まで受け付けられます。

BABYMETAL試論アンケート (Ver.2)

【追記】
 最初に設置したアンケートは無料では100件しか受け付けられない仕様でした。1時間ですぐに埋まってしまったので、別の所に設置しました。




 このブログを設置しているココログには、アクセス解析機能があるにはあるのだが、読む人が少なければがっかりするし、思っているよりもアクセスが多いと「そんな確かな事は書いていないのに」と狼狽するので、あまり見ない様にしている。
 ただ統計データは色々面白い。どこまで正確なのかは疑問であるけれど、端末はPC,Android, iOSが綺麗に割れていたり、男女比は9:1だったり(浅田真央試論とは逆)、年齢層は30台が最も多いというデータだ。
 コメントを書いてくださる方は私の世代に近い人が多い事は把握しているのだが、アンケートをとってみたいと以前から思っていた。
 無料サービスのウェブ・アンケートを利用して、簡単なアンケートを設置してみた。
 個人情報は一切残さず、IPも記録されないが、端末は一台一回の制限がある事になっている。人気投票要素は全くない。
 統計データが出せる様に、全設問を選択式にした。
 特に期限は設けていないのだが、一週間程度でデータを公開したいと思っている。
 読むだけの方も是非お答え戴ければ大変有り難い。

 

2015年8月 7日 (金)

『悪夢の輪舞曲』考 2

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 論考の前段では特異な変拍子構成について終始してしまったが、この楽曲のエクストリーム性はそれだけではない。
 Aメロのオケはドラムしか聞こえないのだ。ギター・コードには音程感が薄く、ほぼ白玉(全音符)のノイズと化している。
 こういうオケであるのに、正確な音程であの難解な符割のメロを歌っているのだ。これ程エクストリームな挑戦は無い。

 あるピアノ調律師が書いた本によると、如何なる声楽家であっても「絶対音感」というものは存在しないのだという。
 会場、当人のコンディションなどでもピッチは変動するのだろう。
 もう一つ印象的だった記述は、ヴィブラートを掛けて歌うよりも、ストレートに伸ばしきって歌う方が難しいものだという。ちょっと意外な感覚も抱いたが、確かにヴィブラートはターゲットの音程とその上、場合によっては上下に音程を揺らすものだ。ターゲットの音程にきっちりピッチを合せる事の方が正確さに於いては困難なのかもしれない。
 そしてSU-METALは、そうした歌い方をこの曲でもしているのだ。

 
 

 このプログラムに決まった振付けがあるのか、可能な限りの動画を見直したが、ほぼ決まった動きはしていた。
 しかし基本的には、特異な変拍子構成を自分なりにモーションで掴んでいる様な動きであって、腕の曲げ伸ばしなどに振付けとしてのメッセージ性は感じられず、歌う抑揚を視覚化した様なモーションだ。
 MIKIKO-METALによれば、SU-METALはカウントで振付けを覚えないらしい。ビートばかりでなく、ギターやピアノのフレーズ込みで本能的に体得しているのだと思う。

 緩急は自在にコントロールされており、「ロンドが」と歌うところでは軽くステップを踏んだかと思えば、1小節分だけ激しい4拍子になると裏拍に全身で乗っていく。しかしそのパートを全て同じモーションで続ける事は無い。これもMIKIKO-METAL振付けの特徴だが、パートの振りはそれ一杯まで繰り返させずに次のパターンに入る。

 ラジオトーンのDメロパートでは、ゼンマイ仕掛けのオートマタが停止したかの様なポーズで静止する。
 ライヴでこのパートのヴォーカルは完全にプリレコーディングが流され、すぐ後の「ゆらゆらー」から生のヴォーカルとなる。
 音源の再現演出という意味でこの方法には蓋然性がある。
 しかしSU-METALの変幻するヴォーカルをライヴでも楽しみたいと思う観客は多い筈だ。
 Dメロ部分だけ、メイン・ヴォーカルのEQを変更する事も不可能ではあるまい。しかし安全性を考えるなら、このラジオトーン専用のマイクを別途に用意した方がいいのかもしれない。
 Primusというオルタナ系バンドのベース兼ヴォーカルのレス・クレイプールは、トランジスタ・メガホン(拡声器)の様な声で喋り倒すパターンの歌唱をするが、ライヴでそれを演じる場合、ノーマル・ヴォーカル用のマイクとは別途に、エフェクト専用のレトロなマイクを立てて自在に行き来する。
 そういう手法もあるのだ。

 2014年のライヴに於いて、SU-METALのソロ『紅月』に対して、Black Babymetalの『おねだり大作戦』というプログラムが交互に配され、双方に一曲分の休憩とされていた。
『4の歌』が出来ても、武道館ではBlack Babymetal曲はまとめられており、『悪夢の輪舞曲』は単独の扱いとなっている。それ故か、神バンドのインストゥルメンタル曲『Mischiefs of metal gods -KAMI Band Instrumental-』(『メタル神達の悪戯』)が演奏された。『Catch Me If You Can』前のソロ回しよりはもっと独立性のある曲だが、構成としては同くじソロ回しをするパートだ。2014以降に半固定化された神バンドに最適化されており、ベース・ソロ後半はBOHがタッピングを披露出来る様に、リズムがフラメンコ的に変化する。
 SU-METALは『悪夢の輪舞曲』を歌い出す前、この曲によって息を整える事が出来ていた。

 2015ワールド・ツアーでは、『紅月』とこの曲はイーヴンな在り方となり、Black Babymetal曲と交互に披露される事になっている。

 私がBABYMETALを好きになって聞き始めた昨年暮れの時点で、SU-METALの歌声は大人として成熟しつつあり、変化している経過にあるのだと思っていた。
 実際『ド・キ・ド・キ☆モーニング』音源で聴かれる声とは明らかに変わっている。
 しかし2015年に入ってからのSU-METALは、2013年までの歌声に戻っているかの様に聞こえて不思議に感じていた。

 今年に入ってからのライヴ告知動画やインタヴュウで聞かれるSU-METALの地声(普通に喋る時の声)は、現在のYUIMETAL、MOAMETALよりも高い事に気づく。
 2014年後半からドラスティックに成長をしたYUIMETAL+MOAMETALは、年齢相応に地声が低くなっているのだが(歌では問題無く上の音域も出る)、SU-METALは身長が伸びても頭部は小さいままで、日本人離れしたプロポーションに育っており、それは彼女の歌声という特質を奇跡の様に維持させているのだと判った。

 2014年頃、『メギツネ』『紅月』といったプログラムの高域が苦しげに聞こえたのは、『悪夢の輪舞曲』での低めで太く発声する歌い方を覚えたからであったのかもしれない。
 Dメロ以外は中性的な、物語る詠唱歌である『輪舞曲』はSU-METALの新たな歌声を見出す楽曲だった。
 2015年、SU-METALは歌から力みが消え、楽曲によって自在に声のトーンを使い分ける様になっている。それによって、ミドル・ティーン期の楽曲でも無理なく歌える様になってきたのだと思う。

 そして新曲『違う』(仮)では、また新たな歌の表情を獲得しているのだ。これからどんな進化を遂げるのか、全く予想すらも出来ない。こんな感覚を抱いたアーティストには、過去に触れた経験がない。

 プログラム論よりも、SU-METALヴォーカル論考に傾いてしまったが、なかなかまとまって触れ難いSU-METALの歌声について、思うところを書く事が出来たと思っている。



 

2015年8月 5日 (水)

BABYMETALのファンアート

 BABYMETALが好きで、自身のイラストをTwitterで上げる、プロ・アマのイラストレイターが多い。
 自分のスタイルで描く人、様々なパロディで描く人とアプローチはそれぞれだ。
 BABYMETALという存在は、××メタルという「キャラクター」を演じているのだが、そのキャラクター性は衣装が頑なにキープ・コンセプトである以外は存外緩い。
 インタヴュウなどでは「世を忍ぶ仮の姿」という設定になっている「素」に近い姿になる方が多い。
 フィクションの別のキャラクターに見立てるといったアプローチも、BABYMETALという存在が自ずと「描きたい」欲求を掻き立てるのかもしれない。

 というエントリなのだけれど、ファンアートをこのブログでは採録出来ないので 隔靴掻痒になってしまうのだけれど――、


 過日、中村隆太郎監督の没後3周年という会合があった。もう3年とも、まだ3年とも感じる奇妙な感覚であった。
 そこで久しぶりに、伊藤郁子さん(「長門有希ちゃんの消失」を最近担当された)と再会出来た(隆太郎監督は『魔法使いTai!』TVに参加していた)

 伊藤さんに訊いてみたかった事があった。それは、BABYMETALのファンアートで「セーラームーン」をBABYMETALの3人に見立てて描かれたものがあって、これがどう見ても伊藤さんの当時の版権のタッチに見えたのだった。
 伊藤さんにそのファンアートを見て貰ったら、
「コレですね(笑)。確かに私です。」
 という返答だった。

2015年8月 1日 (土)

『悪夢の輪舞曲』考 1

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Credits: 作詞・作曲/Yuyoyuppe


 2014年2月に発売された1st.アルバムにて発表。ライヴでの初披露は2014年3月の武道館。
 一回目は楽曲の成り立ちを見ていく。


 これまでの論考で度々私はBABYMETALについて「エクストリームな」という表現を使ってきた。規格外な、並外れたというニュアンスよりも、私にとっては「度を超した」という意味合いが腑に落ちる。

 BABYMETALの楽曲は全て、何かしらエクストリームな要素がエッジを立ててはいるのだが、やはりSU-METALが歌うメロディ・ラインに強くそれを感じる。
『君とアニメが見たい』の始終高音域の歌メロもそうだし(原曲の上のハモりだからそうなる)、『ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト』の似通ったメロながら食いと頭が交錯するのもそうだし、『メギツネ』のブレスが少なく音程を取るのが困難な歌メロもまさにそうだ。

 SU-METALには、容易く歌える楽曲は歌わせないという縛りでもあるかの様だ。
 新曲として初めて披露した時から、数々のライヴを経て自分のものにしていくSU-METALの姿は、一つ一つの困難をクエストしていく闘士の様にさえ映る。何より価値があるのは、これは決して「演出」などではなく、ライヴ・ステージという「真剣勝負」に向かっていくリアルなドキュメントであるからだ。

 本稿を書く前段でプログレッシヴ・ロックのヒストリーを概観したのは、この楽曲が変拍子という「普通ではない」ビートを導入しているからだったが、実のところクラシックなプログレとこの楽曲には、直接的な血縁関係は薄いと思う。

 この楽曲の異質さを多くのリスナーが素直に受け容れた背景には、日本ではALI PROJECT、それに影響を受けたボーカロイド曲などがあったからではないか。

 ボカロP出身のゆよゆっぺがモデルにしたのはDjent(ジェント)というメタルのサウンド・スタイルだった。
 スウェーデンのバンドMeshuggah(メシュガー)を祖とするDjentは、変拍子を多用し、メカニカルなドラム・パターンにポリリズムの無機的なギターリフ(7弦8弦のダウン・チューニング多用)を絡ませる。ヴォーカルはグロウルが多い。
 同じDjentでも、MeshuggahとアメリカのPeripheryでは相当に趣が異なるのだが、共通しているのは、シンコペーションが作為的に複雑化されており、リスナーが直感的に小節頭を見出し難いところにある。

『悪夢の輪舞曲』はそうしたDjentをメインに導入し、しかし決定的な異化要素を入れ込む事で新しいものとなっている。異化要素とは言うまでも無く、SU-METALのヴォーカルだ。

 Djentバンドのリフは、決してギターを爪弾きながらのセッションで出来るものではない。
 MeshuggahはCubaseを用いて徹底的にコンピュータ内で作り込む。アルバムによっては打ち込みのドラムそのままのものもあるが、そうして作られた曲をステージで演奏する為にギターもドラムも機械の様に再現するべく練習する。
 Peripheryもドラムを生で録音したのは2枚目からだ。
 そうした成り立ちをするDjentなので、BABYMETALというプロジェクトがその手法を導入する事も極めて自然な事だった。
 BABYMETALの録音音源のドラムは全てが打ち込みで作られているとされる(個人的に『Road of Resistance』は例外ではないかと疑っているのだが、これについてはいずれ述べる)
 初期は単に生で録音する予算が無かったという物理的な理由での措置だった筈だが、次第に打ち込みならではのリズム表現を獲得する様になる。

 史上初めて打ち込みのドラムを導入したのは、本ブログでも幾度も言及してきたSteely Danであった。生のドラム音をサンプリングしたLynn Drumの原形が導入されている。
 Steve Gadd, Bernard Purdie, Jeff Porcaroなど、当時最高峰のドラマーを自在に選んで録音していたSteely Danだが、最終アルバム(90年代に再始動するが)に於いて、ひたすら正確でステディなドラムを追求すると、機械の演奏に行き着いたのだった。
 尤も、Steely Danのアルバムには参加ミュージシャンがクレジットされており、機械演奏があるのだと判ったのはずっと後になってからだった。

 Djentでなくとも、ある性質のメタルコアなどには非人間的なビートが求められる。
 BABYMETALの録音音源はその特質を前面に出して作られてきた。そしてライヴでは、その非人間的なビートを人間が表現する。
 その在り様は機械と人間との闘争であり、ここでもエクストリームな性質を強く観衆に訴える。

 

 ライヴ版であると、デジタルピアノの前奏曲がある。シンプルなワルツだ。
 ノイズの様なギターのループに導かれて始まるイントロは、3/4拍子と4/4拍子の小節が交互のリフで構成されている。
 判った上で聴くと意外とシンプルなのだが、それは耳慣れた後の話であって、初めて聴いた者はどこが小節頭かも判らず混乱する。最も幻惑させているのはスネアの入り位置だ。
 判り易いブレイクがあるものの、歌い出しの頭は極めてクリティカルだ。
 そしてメロディ。
 Aメロは三拍子なのだが、イントロの変則小節の印象が残っているので、とても単純な3/4には聞えず、メロのリズムも錯覚を誘うものなので、トータルでは正しくポリリズムとなっている。

 クラシックなプログレに立ち戻るが、何故プログレファンは変拍子を偏愛するのか。
 単に「普通と違う」以外の一つの答えは、この『悪夢の輪舞曲』で明らかにされている。

 常軌を逸したAメロが終わろうとした時にテンポが半速になり、ドラムがゆったりとしたビートになった時の盛り上がりは前段の変拍子から解放されたかの様な感覚を与えるのだ。

 ロンドは同じ様な構成が繰り返す形式だが、その意味でこの楽曲はあまりロンド的ではなく、同じ様な構成は繰り返さない。
 普通ならもっと繰り返しを多くし、ドラマティックにする筈だ。プログレであれば楽曲の長さが10分近くあってもおかしくない。しかしそれはBABYMETAL的ではないと判断されたのだろう。
「嗚呼」とブレイクダウンし、ピアノのポリリズムをも重ねたリフがあった後、ラジオトーンのDメロがあるだけで、唯一の繰り返しのCメロが歌われると、あまりにも端的に楽曲はぶつ切れて終わってしまう。3分33秒という極めて潔いランタイムだ。

 ライヴでこのプログラムを演奏する神バンドは、相当に負荷が高い。しかしそれ以上にSU-METALの歌唱は誰が聴いても難しいものだと判る。
 しかし音源にせよライヴにせよ、「危うい」感じは一切抱かせないのが驚きだ。
『紅月』や『メギツネ』よりは、この楽曲の歌メロの音域は今のSU-METALに合っているし、クロマチックな音階でもない(という要素が全く無い訳でもない)
 しかしこの曲は、歌い手自身が明確に自分の意思を持って歌う様なものではない。
 半ば己の意識が失われている中で、過度にエモーショナルな歌い方をしてしまっては台無しとなる。
 主観と客観が併存するこの楽曲の「嗚呼」という嘆きが何よりも魅惑的なのは、SU-METALの楽曲理解が完璧である事を表わしている。

 SU-METALは、そうした極めてデリケートな領域をいとも自然に歌ってしまっている。
「ゆらゆらー」とクレッシェンドしながら歌い出すCメロにカタルシスが生まれる事は述べたが、囚われて人形化している様なヒロインが、必死に生を求めている様がヴィジュアルとして浮かび上がってくる。それは決してライヴ映像の話ではなく、録音音源のリスナーの心象の中にである。

 ラジオトーンのパートで珍しくSU-METALは、ウィスパーに近い強度でファルセットも使い切なく歌っている。そしてこのパートだけ、歌詞が客観ではなく主観になっている。
 こうした工夫は、ゆよゆっぺ自ら作詞も手掛けた事によって可能になったのだろう。

『紅月』の歌詞は虚構性が高いながらも、平易な言葉だけを用いる事でリスナーの共感を得る事に成功したと考えている。
『悪夢の輪舞曲』は、ゴシックな楽曲様式を素直に表現するもので、全体としてはあまり深みを感じられない。
 しかしDメロパートの一点に於いて見事に楽曲と歌唱を結びつけたのだと思う。

 つづく






 ZeppツアーのHP先行抽選、もう当然の様に外れた。
 どうやら私の初観戦はOzfestになる様だ。

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