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2015年12月

2015年12月28日 (月)

Jordan YUI MOA

 BABYMETALはCount Down Japanに28日出演し、年内の活動を完了する。
 来年のウェンブリーまでは実に長い日々が続くが、アルバム製作などスケジュールは埋まっているのだろう。

 26日のテレビ朝日「ミュージックステーション・スーパーライブ」にBABYMETALが出演し、『ギミチョコ!!』をテレビで初披露した。今年唯一のテレビに於けるパフォーマンスであり、主に在宅メイトである私は大いに潤された。
 神バンドの演奏は事前に録音されていたが、他の出演者のサウンドとは充分異質に聞えた。
 整音済みのオケなので、SU-METALは勿論、YUIMETAL+MOAMETALの歌声もクリアに聞えて、ライヴ音源に慣れた耳には新鮮だった。
 BABYMETALのライヴをいつも手掛けるミキサーならば、コーラスの「Parappa Rappappa」の直前にフェーダーを下げきるのだが、この時はSU-METALの無声両唇破裂音「Pa」を拾っていて、これも新鮮。
 しかしそろそろこのパートも、生歌に移行してもいいのではないかとは思う(リアルタイムにヴォーカル・エフェクトを掛ける必要がある)。

 ステージの三面マルチスクリーンの背景動画も凝っており(激しいズーミングと併せて地上波のビットレート限界を越え画が屡々破綻していたけれど)、パイロ・エフェクトはX Japan以外ではBABYMETALが活用させて貰っていた様だ。出番もちょうど中入り前で、扱いは破格に良かったと思う。

 何よりしかし、ライヴならば滴る汗をものとせず渾身のパフォーマンスをする3人が、一曲だけに集中して目まぐるしく交錯するキャメラの全てに自らの魅力をキラキラと発散させていた。
 SU-METALのカメラ目線は前年の『イジメ、ダメ、ゼッタイ』でも印象的だったが、あの強い印象を焼き付ける彼女の視線を、映像で捉えない事の方が理不尽だ。
 個人的には、BABYMETALのライヴではスパイダーカムを導入して欲しい。モッシュピット上で正しく正面視線を受けられる唯一の撮影技法だからだ。

 言うまでも無くBABYMETALはフォトジェニックな存在であり、テレビ向きである。
 常にタリーを素早く見つけてはパーフェクトな顔を見せるYUIMETALは特にそうだ。

「ミュージック・ステーション」に出演する時のBABYMETALは、完全無欠なアイドルだと個人的には思う。器や媒体で、アイドルとアーティストの重心を統一させる必要など無い。
 そういう私は「BABYMETALに紅白へ出て貰いたかった」派なのだけれど、これについてはまたも論争を招くかもしれないのだが、いずれにせよ2015年の紅白にBABYMETALは出ない。

 私はもう25年以上、NIKE以外の靴を履いた事が無い。革靴もコールハーンのみ(ソールがNIKE)。
 家族の病状が日毎にも変わる状況では、クリスマスも年末年始もありはしないのだが、自分へのプレゼントが届いた。
 以前Twitterで見掛けたのを真似しただけなのだが、nike.jpでセミオーダーすると、モデルによっては好きな文字列を入れられるのだ。

Nikeid_yuimoa
 それでは皆さん良いお年を。




2015年12月23日 (水)

エクストリームな音楽の精神性

 早いもので、横浜アリーナでBABYMETALを観てから10日も経ち、2015年も終わろうとしている。
 この間にBABYMETALは、来年の北米東部を絨毯爆撃するツァー日程を発表し、2016年のメタルレジスタンス第Ⅳ章は北米が相当重視されている事が明らかとなった。

 観戦報告エントリのコメント欄では、音響についての意見が多く書かれた。私自身が一日に一回もコメントを読めず、何も出来なくて大変恐縮している。

 問題意識を持っておられる方が多いのは間違いない事で、それが互いに認識出来ただけでも意味はあったと思っている。モトバさんの書き込みは大変に参考になり、書き込みには感謝したい。

 当然ライヴ興行側とても、改善の努力はかつてもこれからもされる事には疑いがない。

 もっと酷い音で金を取る興行も多い中で、プロジェクトBABYMETALは自主興行としては最善を尽そうとしている事は確められたと思っている。

 私がブログのみならず、公的な発言を躊躇ってきたのは、先に記した通り家族の闘病に際しているからだ。これについては高齢という事もあり、元通りに回復は出来ないものだ。
 だから、YUIMETALこと水野由結が幼い頃、家族の闘病に際して『Over The Future』という楽曲と、可憐Girl'sという存在が強く支えたという状況とは異なると思う。
 ブログを沈黙している間、私はBABYMETALの楽曲も動画にも触れなかった。ネットからの情報も、まとめブログを数日に一度見る程度になっていた。
 BABYMETALの楽曲は確かに元気をくれる。
 私の様な状況で、BABYMETALが支えてくれると感じる人もいるだろう。

 しかしこういう状態にあると、私は音楽もモラトリアムな指向に陥る様だ。
 何が契機だったのかも忘れたが、11月頃はThe Billy Cobham and George Duke Bandにドハマりして、それしか聴かない時期があった(ライヴアルバムが一枚とライヴ映像があるだけなのだが)。
 コブハムは自身のリーダー作や初期のバンドDreamsなど、自分がバンドマスターになるとつまらない音楽しか作らないのだが、故ジョージ・デュークがザッパを抜けてジョイントしたこのバンドでは、泥臭いファンクとフリー・ジャズ、ザッパ譲りのカンタベリーなプログレ風味まで混在させて、70年代中盤の最先端な音を創っていた。
 二つ打ちロールを凌ぐ一つ打ちのロール、両キックによる足のパラディドゥルと、コブハムは孤高のテクニシャンだったが、全く後継的な存在は現れなかった。
 このバンドのベースはアルフォンソ・ジョンソン(Weather Reportではジャコの前任者)で、デュークと共にヴォーカルも務めている。フレットレスのランニングではジャコを凌ぐ様なフレーズも聴かれる。ギターはジョンスコことジョン・スコフィールド。後年とは全くプレイ・スタイルが異なり、ソロでも全くアウトなラインは弾いていない。

 そしてその少し前に本ブログで紹介したWeather Reportの未発表ライヴ集CDがリリースされると、こればかりを聴き込んでいた。
 2ヶ月程ベースに触ろうという気も起きなかったのだが、ジャコの最もキレキレだった極く短い期間の録音に触れると、ちょっと触りたくなり始めた。
 司令塔ジョー・ザビヌルは、“フュージョン”と自分達の音楽を呼ばれる事に違和感があったという。
「俺たちは何も融合なんかしていない。心の中から生まれた音楽をやっているだけだ」

 Weather Reportの音楽をどう表現すべきか、全く知らない人に説明するのは困難だし、一言で言えるものではないのだが、その典型の一つを挙げれば「超高速4ビートのビバップ」だと思っている。8や16の曲も多いのだが、ジャム的に20分も演り続ける楽曲の1パターンは紛れもなくこれである。
 モダンなビッグバンドくらいしか演らない(出来ない/そもそもやろうと思わない)「超高速4ビート」は、ジャコとピーター・アースキンという最強のリズム・セクションの、最もエナジーを発現した時期だからこそ成し得たサウンドであった。
 ひたすら「速い」というのは単純にスリリングさを増す。
 ロック/メタルで言えばスラッシュが同じ様な精神性で生まれた筈だ。

 ジャコはアナログ・ディレイを使って一人多重奏ソロを披露するが、ウェイン・ショーターはまるでシーケンサーの様に同じミニマルなフレーズを、ソプラノで延々と吹く。
 機械(打ち込み)を模す演奏はジャズでも試みられてきたのだった。

 さて、全く関係の無い事ばかりを書いてきたと思われそうだが、ここまで読むと言わんとする事は感じられただろう。
 Weather Reportのジャズとしてのエクストリーム性は、BABYMETALのエクストリーム性と左程掛け離れてはいないのだ。


 私が横アリまでBABYMETALの楽曲に触れ難いと感じていたのは、聴けばやはり、それで頭に浮かんでくる事柄を書きたくなるだろうし、しかしそれを書く気分にはなれなかったからだ。

 横浜アリーナACT-IIの日、私は開場15分前くらいに現地に着いた。
 横アリの正面まで伸びる道沿いの飲食店はBABYMETAL特需を見込んで、チケット提示で10%OFFになっている。
 会場前の男子トイレに長蛇の列が並んでいるのを見て私は踵を返し、どこかで時間を潰そうとぶらつく事にしたのだが、店先で音質の悪い拡声器で流れる『4の歌』を聴いた。本当に音質が悪かったのだが、BABYMETALの楽曲はまだ私の心をワクワクさせてくれる事が確認出来た(皮肉にもライヴ自体では『4の歌』は聴けなかった)。

 もう何も無いとは思いながら物販コーナーに行く為に、アリーナ外側を一周させられる。並ぶ行列を裁くにはこれが良いのだろう。
 ブルータル・コーチジャケットのLは大きめな様で、これが買えた。Tシャツはもうないんですよね、と一番右端の販売員の女の子に訊くと「Lならあるんですけど」と返された。「XLなんですけどね」と無念そうに言うと「ですよねぇ」と言われて哀しかった(色々な意味で)

 後輩のHAGARI-METALを誘えたのでぼっち観戦にもならずだった。
 そして、ライヴが始まったらひたすら愉しんだ。
 感動のあまり泣く事もなかったが、自分の心が久しぶりに楽しく弾んでいる事を自覚出来た。

 報告で書き忘れたが、ACT-IIは厳密には「ノーMC」ではなかった。『BABYMETAL DEATH』の後、三人は「はっじまっるよ~」と声を揃えてショウの開幕を宣言したのだ。
 ライヴで見る事はもう叶わないのかもしれない『君とアニメが見たい』のほんの1フレーズではあるが、それを見て聴く事が出来た私は極めて幸運だった気がしている。

 アリーナ・シートで観られる機会が今後もあるのかと思うと気が重い。
 東京ドームは行かずばなるまいが、いつかまた抽選に受かってZepの2階から観てみたいものだ。


 本ブログは、近いうちに『Road of Resistance』の論考をアップし、予定通り一旦休眠させようと思う。
『あわだまフィーバー』についてもあれこれ書きたい事は既にあるのだが、来年4月に音源が発売されるのだから、それを待つべきだと考えた。

 長文コミュニティとして成立してしまったコメント欄は存続させたいと思っているが、管理方法なども含めてこれについては考えさせて戴きたい。

2015年12月13日 (日)

横浜アリーナ ACT-II 観戦報告

 横浜アリーナ公演ACT-IIへ行ってきた。
 まだブログで長文を書ける状況になく、公演に行けるのか先週まで見えなかったが、何とか行く事が出来た。

 BABYMETALを好きになって1年、遂に実際のライヴを観られた。
 驚きや意外な事は何もなかった。新曲披露も発表の数々も想定の範疇。
 しかし今年で最も楽しい時間だった。

 いずれ私のインプレッションもまとめて書きたいとは思っている。
 取り敢えずは印象的だった事などを。

 アリーナDブロックのシートだった。シートとしては最も良いポジションだったかもしれない。しかしやはりステージは遠い。
 大型スクリーン・モニタと実際のステージと、結局半々くらいに観ていた気がする。

 ギターの低弦は全く聞えず、音響は到底良いとは言えなかったが、予想していたよりは遥かに良かったし音楽として愉しめた。
 ヴォーカルは3人共に抜けて聞えていた。
 SU-METALの歌声は私にはノーマルに聞えていた。音楽用耳栓は持っていったが使用しなかった。音量は至って普通だったと思うが、ACT-Iと設定は変わっていたかもしれない。

 そしてSU-METALの歌声に関してだけは、予想よりも上回っていた。PA越しではあるが、明らかに地声の抜けの良さ、強さがあってこその歌声だった。
 歌に関してはほぼ完璧であり、『メギツネ』のいつものところでブレスが足らなくなっただけだ。
 もうSU-METALの歌を「巧い」などと軽々に評すべきでなく、押しも押さぬ実力派歌手なのだと認識を改めた。

 カンフー的な振りの新曲だけは、YUIMETALとMOAMETALのモーションでまだユニゾンが徹底されていなかったが、これも新曲ならではの観客の愉しみだろう。他のプログラムが完璧であるのと対照的だった。ここから精度を上げていくのだ。

 最も予想を裏切ってくれたのが照明だ。目潰しやストロボは最小限に留め、三人がパフォーマンスをしている最中はきちんと光を当ててくれた。
 美術装置も衣装も、「Trilogy」の意匠を徹底して入れ込まれていた。幕張のそれが後付けでとってつけた感に不満を書いたが、もう称賛しか出来ない。

 曲として完成された『ラララ』(幕張では事前録音でスキャットだけが流れた)は、恐らく『(We Are) The One』といったタイトルになるのだろうが、アンコールでは三角四面体のゴンドラに乗って、アリーナ上空を一周した。この時が最も三人をよく見えた時だった。ステージ上の三人のサイズ感は、遠目ではやはり実感が無かったのだけれど、MOAMETALがこちら側を向いてるのを見て、やはり小さくて細いんだなぁと思った。

 アリーナ・シートの真ん中よりやや後方から見る客席は壮観だった。
 BABYMETALの曲は皆全てのフレーズを覚えており、面白い程に1万数千人が揃って腕を上げ声を上げる。
『Road of Resistance』のシンガロングは、バンドが音を止めている間も完全にテンポを維持して歌っていた事に感銘を受けた。

 やはりこんなライヴはこれまで観たことが無い。メタル/ロックでもアイドルでもなく、BABYMETAL独自な観客が仕上がっている。

 アイドル的存在は、ポピュラリティを広げるにつれ、アイドルの主体のみならずファン、オタがどういう仕上がり方をするかという事も、考える必要があると感じた。
 私よりも先輩な方々も多く、年齢層は極めて広い。
 そしてシートならば、体力に自信が無い様な観客(私)でも充分堪能出来るライヴだ。
 BABYMETALは素晴らしいファンを作り上げたと思うし、そのファンも含めてのBABYMETALなのだと思う。

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